長月の、脇役は・・・?

大地の豊穣、この地より!
全ての人に、恵め祈りを、
身体にやさしい、けんちん汁。

料理/清水 紀子

9月の脇役は、・・・けんちん汁☆

材料(2人分)>

けんちん汁・材料

  • 大根………80g
  • ニンジン………70g
  • ゴボウ………60g
  • コンニャク………70g
  • 生キクラゲ………20g
  • 木綿豆腐………1/4丁
  • だし汁………400ml
  • (a)しょう油………小さじ1
  • (a)塩………小さじ1/2
  • サラダ油………小さじ2
  • あれば、三つ葉など………少々

作り方>

①.大根、ニンジンは皮を剥いてから4cm位の長さで、細切りに。
コンニャクは、同じ長さ位の短冊切りに。
キクラゲは、細切りにする。
ゴボウは皮をこそげて笹がきにしたら、水にさらしてから、水分をよく拭いておく。

②.鍋に油をひいて火にかけ、①を加えて炒める。

③.全体がくったりとなってきたら、だし汁を注いで、(a)も加えて煮立てる。

④.アクを除いてから、鍋に豆腐を、手で大きくちぎりながら加える。

けんちん汁・工程

⑤.再び煮立ったら火を弱め、3分程煮てから火からおろして、お椀によそって三つ葉をあしらう。


「和心文化メッセンジャー」・・・山野亜紀からの一言♡

こちらのコーナーでは、汁物を敢えて「脇役(!)」として、ランダムに毎月ご紹介をしていきますので、どうぞお楽しみに!

「けんちん」っておそらく、ずーーーっと昔からあるお料理なんだろうなぁ・・・とは、思ってました。
・・・なにしろ具材が、ニンジンとかゴボウにコンニャク、大根と来ていますもの。 (‘_’)

日本には、古くから愛されていそうなアイテムばかりですし、何しろ魚鳥も使わぬ精進料理♡
・・・きっと、農村なんかで昔から、とっても当たり前に食べられて来たお料理なんだわ・・・なんて思っていたのですが、ところがドンドン(!)

そちこちの料理の資料を調べてみますと、たしかにポピュラーなお料理ではあったよう☆
・・・なので、「けんちん」と紐解いてみると、資料がぞろぞろ☆
ところが私の思惑道理のシロモノではなくって、何でも江戸も初期の頃に伝わったという、中国風精進料理がその由来であったとか★

中国は福建省の禅僧で、日本黄檗(おうばく)宗の開祖になられたという・・・隠元さん(!)
この方が1654年に・・・つまり四代将軍・家綱の頃にですね。
日本からお願いをされて、それに応える形で日本に来られたんだと・・・資料に。
・・・その折についでに、例のお野菜「インゲンさん」もお連れになったんだそう。

この方はその後、日本に帰化をされたんだそうで、京都は宇治市に、1661年に萬福寺を建立。
・・・このお寺さんは、臨済宗、曹洞宗に次ぐ禅宗のお寺なのだそうです。 (゜_゜ )

隠元さんがお伝えになったという、中国は福建地方の禅宗の精進料理は、やがては下々にも伝えられました。
お江戸は十代将軍・家治の時代になって、1772年。
「普茶料理抄(ふちゃりょうりしょう)」という本になって、その調理法などが紹介される運びとなりました・・・☆

何でもこの宗派では、「茶礼という儀式」を行った後で、全山の人が集ってお茶を飲みながらの意見交換会を行うんだそう。
・・・その直来でお料理を戴くのですが、その時に食べるのが「普茶(茶をあまねくする)料理」
特色としては、多量の油と葛を併用する処であるのだと、資料に。 (‘_’)

また普茶料理では、当時主に使われていた個別の箱膳は、使用しません
一つの大きなお膳に、4人が向かい合わせに座って囲むというスタイル(写真・右)が採用されました。

お料理も大皿で盛って、各自に取り分けるんだそうですが、取り箸も使わず(!)
・・・てんで勝手に、好きなモノを取って食べるのが流儀なんだそう、へ~え。
お坊さんが食べるお料理にしては、けっこうに自由なんですねぇ・・・。 o(^-^)o

・・・同じく中国の精進料理が発展したモノなのですが、京都で成長をしたから普茶調理で、長崎で培われたなら、卓袱料理と呼ばれているそうです。

・・・何にしても、たしかに様々な色の野菜を刻んで、見目麗しいお料理の・・・けんちんというレシピは、この普茶料理の一つ。
「けんちん(巻繊・または巻煎るとも)」なる元々のお料理は、千切りにした野菜を湯葉で巻いて揚げたモノであるとか。 (〃∇〃)
・・・それを汁物にしたのが「けんちん汁」で、葛を使うので身体が温まり、特に冬に喜ばれるメニューだそう♡

ゴボウにコンニャク、ニンジンに大根。
・・・どれも、私たち日本人には馴染みのあるお方ばかりなんですが。
土の中でじっくりと育つお野菜には、色それぞれにまた、違った色素(つまり栄養素)を持っているのだといいます。

・・・根菜は少々、土臭い感もありますが、油で炒める事で、そこは解消(!)
その力強い旨味までも、引き立てます♡

添えられるお豆腐なんですが、炒めるとグチャッとなってしまって見目麗しくなくなってしまうので、今回は後添えに。

大豆が原料の・・・お味噌やお豆腐は、タンパク質がとても豊富で、野菜とはまた違ったビタミンやミネラルが含まれています。

たった一つのお椀に、大地の恵みが広がります。
・・・身体も温まって、ほっとする彩り、身体に嬉しいお汁です。

■山野亜紀のHP「ねんきら☆」でも、よろしければお楽しみ下さい☆
※「シシとブタは、何違う? インゲン和尚だ、日本人」~旬エッセイ・2015

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