「ショウガないけど、アユがある!梅干命だ、日本人」

「ショウガないけど、アユがある!梅干命だ、日本人」

川魚は、お好きですか?
・・・どちらをスーパーで買うかと言ったら、やはり私も・・・海の魚を選んでしまう方なんですが、旅先では必ず、見掛けると私は絶対に食べたくなってしまうアイテムなんですね★

さて6月の旬食材なんですが、今回は・・・川魚のアユさんです。
はてさて、アユさん。
日本でお暮らしになっている・・・アユさんって実は、大きく分けて2種類に分かれるのだとか。

アユといえば、清流釣りが思い出されますよね。

秋には川で産卵をしますが、水温が16~20度の砂利質で、あまり泥っぽくない場所にアユさん、卵をお産みになられます。
・・・この時、メス1匹に対して、2匹以上のオスが寄りそうようにして放精していくんだそう・・・ですが★
うーむ、川の流れは早いんでしょうから、1匹くらいで頑張った程度では、どんどんと成果が水に流されていってしまうんでしょうねぇ・・・。 (^_^;)
そこは、みんなで協力し合わないと、子孫が残せないっっっ!!
ある種の、必死さが覗えます(!)
・・・アユさんって、そんなお方だったんですねぇ、へ~え。

さて、アユさんの種類に話を戻しますが★

川から海に降りて、再び遡上してくるアユを、「オオアユ」と呼び。
それとは別に、琵琶湖から一歩も離れないで過ごすアユもいるそうで、こちらは「コアユ」と呼ばれます。
・・・同じアユを名乗ってはいても、遺伝的にはもうはや、違うんだそう★

琵琶湖のアユは、10万年も前に「オオアユ」とは分かれていたというのも、驚きです。
養殖モノのアユ琵琶湖からやって来るのだそうですが、そのアユは海に放たれると、もうはや、生きてはいけないカラダになっているのだそう★

さてアユさん、卵の方なんですが、2週間程もすると孵化を致します。
孵った透明な稚魚たちは、自力で河口域まで降りて参りますが★
・・・まずは、海水の塩分の少ない辺りで身体を慣らしつつ、プランクトンなどを捕食するようになります。

1cm程にまで育ちますと・・・アユさん、スイカかキュウリに似た香りを放つようになるんだそうです。
・・・これは、アユ独特の不飽和脂肪酸が、酵素で分解された匂いなんだそう。
この頃になるとアユさん、プランクトンの他にも、小型水生昆虫やら、落下昆虫なども食べるようになります。
そして翌年の春先になりますと、6センチくらいの大きさまでに育ちまして・・・アユさん、全身がウロコで覆われるようになります。

そして4~5月の頃になりますと、10センチ程度の大きさまでに成長(!)
いよいよ海から川へと遡上するようになりますが、この頃から身体に色が付いて参ります。
・・・それまでの肉食から、岩に生える藻を食べるようになるからでしょうか。
歯の形までも、変わって行きます。

大体の若魚というのは、群れを作ってお暮らしになりますが、中には自分のエサ場を守るアユさんもいるので、その習性を利用したのが、かの有名な「友釣り」です。
アユの縄張り意識を利用して、おとりのアユを使って釣り上げるという・・・アレです。

ちなみにアユが川を遡上してくると、例のスイカかキュウリのような臭いが強くなるので、釣り人はそれでアユがやって来たなと判るとか★

さて、アユさん・・・なんですが。

漢字では「年魚」「鮎」、そして別の字では「香魚」とも書くそうです。
・・・そしてその名の由来は、「あひ(い)」からだとか。
この「あ」というのは、愛らしいという意味になり、「ひ(い)」は、魚名語尾にあたりまして、今でいうなら「愛らしき味佳き魚」・・・という意味になるそう。

そんな・・・アユさんなんですが。
タンパク質はもちろん、その内臓(ワタ)はとにかくビタミンが豊富で、視力や粘膜を健康にしてくださるビタミンAやら、カルシウムの吸収を促すビタミンD、そして強い抗酸化作用を持つビタミンEがたっぷり(!)
そして身には、骨があるのでカルシウムも多く含まれています。

アユの旬は6~9月といいますが。

川を下って産卵する時期の「落ちアユ」は、特に珍重されています。
ただ、ウロコと筋肉の部位に寄生虫がいる場合があるそうので、生食は・・・どちらかと言えば、避けた方が良いとあります。
・・・アユさん、古事記の時代から日本では親しみのあるお魚だそうです。
そして奈良時代に入りますと、税の代わりに納められていたほどで、古来よりアユさん、どちらかと言えば・・・高級魚の扱いであったよう。
・・・例えば、神前に贄(にえ)として供えては、占いに使ってみたり・・・などなど。
あらゆる天皇はもちろん、武将にも献上していた程のお魚さんです。
今一度立ち止まり、旬のお魚として愛してさしあげたいお方です。

さて、ショウガさんの方にまいりましょう。

古名はなんと、「くれのはじかみ」と・・・言うそうです★
そういえば今でも、焼き魚に添える筆生姜の事を、「はじかみ」って言いますよね。
この・・・ショウガさん、奈良時代には、中国を伝って日本に入って来たそうで、平安時代の辞書に当たる「和名抄」にも、その名が上がるほど・・・馴染み深い食材なんですよね。

さてショウガさん、古来よりその使用方法はと言いますと(!)
実は・・・お江戸の頃からやっぱり、余り変わってはいないのだとか★

擦ったり、味噌と和えての生姜酢みそにしてみたり、または調味酢に生姜を擦り入れてみたり・・・などなど。
生姜は身体を温めるからなのか、江戸の頃にも「生姜酒」として滋養にも用いていたようです。
・・・味噌と一緒にショウガを擦って、酒を加えて混ぜたモノを風邪薬にしていたそうですが、十一代将軍家斉「生涯で、54人もの子供を作った将軍」としても有名ですが、この方は、ある日食べた生姜の味が気に入って、以来50年間も食べ続けたという・・・大変執着心の強い(?)お方のようでして・・・★

こちらの息子さんに当たる十二代将軍・家慶にも、その血が色濃く受け継がれていたようで、特にこの・・・谷中生姜(葉のついた生姜)が大の好物だったそう。

旬の時期に好むのはもちろん、促成栽培をした早出し野菜(!)でも楽しんでいたそうですが、農家からすれば、殿様に献上するのはもちろんですが。
・・・町人にだって、時節以外に流通に乗せれば、こちらの方が絶対に高く・・・売れますから、そこはせっせと生産に精を出します。
ところがお役人さまの考える事というのは、・・・そこは殿様よりも先に、下々の方が口にしてしまうのはどうか・・・という事で(!)
さんざんに「お触れ」を出しては、促成栽培を止めようとした・・・のですが、庶民は全然聞かなかったというのが、笑えます。(^_^)/

さて、このショウガさん・・・なんですが。

「根生姜(一般的な生姜)」と「葉生姜(谷中生姜など)」、そして「矢生姜(はじかみ)」の3種類があるそうです。
葉生姜は、根茎が小指ほどに達した時に葉が付いたまま出荷したモノで、矢生姜(筆ショウガなどに用いる★)は軟化栽培・・・つまり太陽には当てずに白く育てて、15センチ程に育てた処で日に当てて、茎元が紅くなった処で出荷したモノです。
・・・またこの時期には「根生姜」の他に、「根生姜から新しく芽を出した、新生姜」が店頭に並びます。 (^_^)v

どちらも、成分的には変わりませんが、香り成分はシネオール辛み成分はジンゲロンショウガオールと呼ばれる成分で、その香りには食欲増進や疲労回復、健胃などの効果も。
・・・また、辛みには強い殺菌効果がありますし、ショウガオールは身体を温めるばかりか、新陳代謝を高める効果もあります♡
料理に用いれば、臭い消しや、脂の酸化防止効果もあるそうですので、ぜひぜひ活用をしていきたいお方です。

そして最後の旬食材は、梅・・・ならぬ梅干さんです!

は、バラ科サクラ属スモモ亜属の樹木で、日本には西暦700年以前に、薬用にと伝わった植物だそうです。
・・・その実を楽しむばかりでなく、観賞用としても、広く栽培されるようになりました♡
なので、古墳時代から奈良時代を股に掛けた日本最古の歌集「万葉集」には、梅が詠まれた歌が多いのだとか。
それが桜に変っていったのは、平安の頃になってからなんだそうです。

「梅は、三毒(食べ物・水・血の毒)を絶つ」なる言葉までもあるそうで、梅干が文献に初登場をするのは、鎌倉時代から。
通常時はもちろん、陣中食(!)としても活用をされて、塩や醤油の流通が悪い当時には、梅干の塩分を調味料として使われていました。
「塩梅がいい」、つまり塩加減が良いという意味の語源は、ここから来ているそうです。 (゜_゜ )

さては、医者いらずと言われているそうです。
・・・クエン酸にリンゴ酸などの有機酸に加え、カルシウムやリン、カリウムなどのミネラル、ビタミンが含まれいるそうで、あんなに小さな食材なのに、こんなにパワーがあるんだとか(!)

またウメの持つ殺菌力はすごく、食中毒予防や腐敗防止にも威力を発揮するとも(!)
そして・・・含まれているクエン酸には、糖の代謝を活発にして下さいますし、疲労物質の乳酸を燃焼!
疲労回復には効果がありますし、また含まれているピルビン酸には肝機能を活性化(!)して下さる効果がありますから、二日酔い防止にもなります♡ \(^_^)/

また漢方では、梅を黒焼きして燻煙にして、さらし干ししたモノを使うそう(!)

こちらは、ウメの殺菌力と整調作用を利用したになるのだそうですが、外用としては(も?)使えるのだそう。
・・・化膿性の皮膚疾患やリウマチ、腰痛にも効くそうですが・・・青梅は食べると、下痢を起こすことがあるので、控えましょうとこ事です。
・・・これだけ見ていてもウメさん、古来から日本人の健康と食生活をずっと、支えて下さっていたんだなぁ~と思います。

また梅干を作るのに、赤シソを入れて作るようになったのは、お江戸は元禄の頃からだそうです。
・・・つまり、五代将軍・綱吉の時代だったそうですが、遡れば奈良時代では。
もともとは白梅干だけであったのが、少しずつ色目も増えて、その実の大きさもまた・・・小さかったり、大きかったりと種類も色々に♡

昨今では甘めに作られていたり、変化に飛ぶようになった・・・梅干さんではありますが★
梅雨のこの時期、ウツウツしたこの時節に、ウメさんのパワーを借りてまた、乗り切っていこうではありませんか。

<<文責・山野亜紀(女 邦史朗) 2018.6.30更新>>
※山野 亜紀(女 邦史朗)プロフィール

 

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