第12話 1年間、和心レシピにお付き合い戴き、ありがとうございましたっ!
「和心HP」を始める事になりましたのは、私が事情で・・・どうしてもっ!!
真剣試斬体験の場を、東京に設けるしかない立場にあった時期がありまして・・・★ (^_^;)
そして当時の私はまだ、己が所持している真剣だけでは、とても人様に体験をさせるまでには・・・本数が足りませんでした★
そして、何しろそれにしても・・・日本刀ですから(!)
出来合いの刀(?)を買い求めるとしましても、刀の目利きが出来る方の助力がまた、どうしても必要だったので(!)
・・・まずは大船に始まって、大阪へと訪ね歩いて、思いあぐねて秩父の野村寛一先生の下を訪れるといった具合で、私の師匠の刀仲間を渡り歩いていた頃の・・・お話です。
結局、秩父の先生に・・・打ち下ろしの刀身があったのを、二振り分けて戴く事になりました。
それに(鞘や鍔などの)拵えをつけるために美濃の国へ送るなど、紆余曲折があって時間もかかり(!)
・・・また秩父には、HPソフトに詳しい方が居られましたので、私としては有り難い気持ちで・・・それまで行っていた「ねんきらHP」を閉鎖する旨と。
それまでは「和洋併せて4年間、勉強も兼ねて行って来た料理のHPだった」んですが、もう1年だけ、どうしてもっっ!!
・・・和の料理を極めて勉強してみたい旨を相談したところ、こちらのHPソフトを紹介して戴き。
秩父へ年に数回通う身となった私は、どうせなら秩父の皆さまとのコラボに出来たらと思うようにもなりまして、ともかくも和心HPで1年間、当初の願いであった通りに・・・レシピページの更新を行っていたのでありましたっ。 (^_^)/
途中、カメラマンの交代劇もありましたが、新しい方をご紹介戴き。
・・・そして、今度はご家庭の事情で「和心の撮影」に携わる事が難しくなってしまった清水紀子先生・・・。
思えば、清水先生のおかげで私は、栄養の事についても調理についても、ホントにたくさん、たくさん学ばせて戴けましたし。
何より、料理動画という新しい企画にも挑戦出来て今も、本当に感謝をしています。
・・・あとたった2ヶ月分の撮影が出来たら、「私の野望」が完了するのに・・・と思い悩む日々もありましたが(!)
最後の最後の・・・清水先生のご協力の下、予定していた「5+6月分の下地となるレシピ」を先生に、ご提案していただき(!)
「これをテキストとして、山野さん風にアレンジをして、これをご自分のものにしてレシピを発表して下さい」
という清水先生のお言葉があったので、それは・・・何しろ産まれて初めての経験でしたので、キンチョーもしましたし、ともかくも試行錯誤の毎日だったのです・・・★
まず「第一番の関門は」と言えば、買い物です!

わらびもち・材料
和心レシピは、一応は「江戸風料理を目指している」ので、調味料とかも一応は、あの頃の時代をイメージして今まで制作をして来ました。
・・・ところが、料理の専門家ならいざ知らず、★私は素人★なので、まずは近所のスーパーを走りまくり、デパートなども訪ね歩いてみたんですが・・・★
渋谷事務所の近くのスーパーには、たとえば「わらび粉」や「黒蜜」、「梅酢」といったモノが置かれていなかったのには、驚きましたっ。
・・・渋谷辺りなら、何でもカンタンに揃うだろうと考えていたので、これには本当に・・・参りました。 (T_T)
とにかく、(レシピは2ヶ月分を撮影するので)16品!
まずは、清水先生から戴いたレシピの通りに試作をしてから・・・それぞれ、アレンジを試みてみる・・・私なんですが★
当時は酷暑で、しかも8月の舞台で殺陣を振り付けていて、稽古をしている真最中でした。
・・・それと並行してまた・・・独り暮らしの私が、16品もの試作・試食を繰り返すのは本当に、実にシンドイものがありました・・・★

茶葉の量や、食べ方に工夫した新茶飯★
レシピを見て、アレンジがすぐ思い付くモノもあれば、そうでないものもあります。
・・・とにかく、ある程度のメドが立たなければ、カメラマンに相談する事すら出来ないと思い、何とか6~7割ほど方向性が決った処で撮影のスケジュールを取って戴くという運びとなりました。 (-_-;)
・・・はてさて、ところで撮影場所・・・なんですが★
今までは、清水先生のご自宅で撮影をさせて戴いていたんですが、今回はそうも行きません。
渋谷事務所はキッチンが狭いですし、実家は駐車場が遠いしで、いつも通わせて戴いている「虹の会」の桜さんという方に相談してみた処、快く開講場所の「野方庵のキッチン」を貸して戴く運びとなりました♡
・・・こちらなら、台所は広いですし、日当たりも良いですし、(カメラマンが機材を運び込むのに)駐車場だって目の前です!
撮影をするには、良い条件だと思ったのですが★

撮影日に入手に手間取った、アユさん・・・★
下見の折に・・・カメラマンの千葉氏もそこは受け合って喜んで戴けました!
さて、レシピ到着から撮影に至るまで、約2ヶ月間を準備期間に当てたので(!)
・・・私はその間、行く先々のスーパーを巡っては・・・ネットを見たりと(!)
腕のない自分(!!)でも、いかに作りやすくて、しかも仕上りがキレー♡に映えるか!!を考えて、たくさんの食材をまた見て歩きました。 (^_^;)

広尾で買い求めた生麩と、干し物・・・★
例えば、「わらび粉」一つとっても、野方や吉祥寺、そして広尾のお店ではやっぱりメーカーが違います(!)
そして、私としても・・・作り慣れないレシピ★については、やっぱり練習をしなくてはならないので(!)
・・・練習用には、廉価なモノをとか。(左のレシピ・・・★)
また本番用には、それなりのモノを用意したいとも考えて、「これは、広尾(高級スーパー)で買い求める食材」・・・であるとか★

撮影前日の様子
「こちらは、撮影場所の野方スーパーでもカンタンに手に入るから、せっかくだからご当地で買って作らせてもらおう」などと予定し。
そして調理器具については、これは渋谷事務所から持ち込んだり、実家から車で運び入れたりと・・・そこはけっこうに、準備をするのが大変でした。
・・・ところで、調理器具たちなんですが★
実は・・・「野方庵の調理器具たち」って、IH仕様だったのです・・・っっっ!!! (>_<)
・・・ガスしか使った事のなかった私(!)は、「IH仕様の鍋でないと使えない!」という事を知識としては知っていても・・・★
土鍋くらいはそうかと思っていたんですが、行平鍋も使えないと現場で知って、ホントにおののいたのでした・・・★ (-_-;)

IHは、点火方式もガスと違います★
・・・とにかく和心は、仕上りもそうですが、プロセスカットを大事にしていますから。
IH仕様の鍋と、そうではない鍋を駆使して撮影をしていったのですが、その度々に・・・メインカメラマンの千葉さんと、今回はアシスタントを務めて下さった常見カメラマンが(!)
特に、「IHのグリルの使い方が判らなく」て私が泣いていると・・・これまた撮影現場でググって調べてくれたりで、もう・・・ホントに彼らに足を向けて寝ることができません・・・★★★ (^_^;)
ちなみに、前回までは器の方も・・・清水先生にお願いをしていたんです。

琵琶湖のほとりから来た器たち★
ところが今回は・・・そうは行きませんから、まずは下見がてら・・・かっぱ橋商店街を見に行ったりしていたら、またもや「虹の会の主催である桜さん」の一言で、
「それなら、琵琶湖のほとりの蔵で100年以上眠っているという器を借りてはどうか」
という提案を、して下さったんですね。 (゜_゜;)
・・・たしかに「Kさんという方のご実家」は、とても素晴らしい古民家(?)だという事は、facebookの投稿などを拝見していて、知ってはいたのですが・・・★
Kさんは私より年上、ご高齢のご両親に・・・そんな面倒を掛けてはと、私が悩んでいたところに何故だか西日本に、巨大な台風さんが接近し(!)
・・・これまた、けっこうに被害の大きい、とても大変な・・・お方であったのでKさん、ご実家に帰られることにもなりまして!
ありがたくもこれ程の器達が、野方庵にまでご到着になられたのでありました・・・☆
これがまたホントに、ホントにキレイな漆器に陶器たちなのでした・・・。

20種あったお椀の1つ
あんまりキレイだったので、特に漆器についてはカメラマン2名に相談し、全部押さえてもらう事をお願いしましたっ。 (^_^)/
・・・何しろ、同じ器ながら20枚(!)絵柄が全部、違っているんです・・・♡
撮影で、全てを使う事は出来ないにしても、その絵柄に惚れ込んでしまった私はついつい、カメラマン千葉にお願いしてしまったのですが・・・。
漆器って、光るので撮影するには難しい処があるんですよね・・・★
大変なのは判っていて、だからこそ(!)
プロにお願いしたんですが、ホントにキレーに撮影してくれて、これらは私の記念の品となりました♡
・・・ところで私にとっては、初めての料理の撮影です。

この手は、常見カメラマンの手☆
アシスタントを頼もうかとも思ったのですが、逆に現場慣れしていない方だとパニックになる恐れがありますし。
・・・また何しろたった2日間の撮影ですから、何とか1人で切り回してみようと試みていた処、千葉カメラマンがまた気を利かせて下さり・・・。

都内のキッチンスタジオ
「キッチンスタジオで撮影を経験した、常見くんを自分のアシスタントに連れてきたんです」
との事で、とにかくご自分の仕事以外にも、やれ・・・切りかけの野菜やらはキチンとラップして冷蔵庫に保存して下さるし、山盛りに出たお鍋やお皿、計量カップやスプーンなどの洗い物をモリモリとこなして下さり・・・。
・・・とここで、撮影の順番なんですが。
「完成品カット」の次に、集合写真の「お膳カット」をともかく、済ませます。
それから「旬食材」と来て、「8品の材料カット」を終了し、最後に「8品のプロセスカット」を撮影するの・・・ですが。

難関だった、イカの梅干蒸し・・・★
やっぱり、手間のかかるモノや準備のいるモノって自然、順番が後(!)の方になってゆくのですね・・・。 (^_^;)
特に「6月分の和心レシピ」には、私の腕前では難しい・・・イカ料理(!)が入っていたんです★
プロセスも、カンタンな処はさくさくっと進んでいくんですが、・・・最後の難関(!)
残っていたのは、「わらびもち」と「イカの梅干蒸し」だったんです・・・。
「わらびもち」なんて、プロセスはもう、鍋で作っている場面以外には考えられませんでしたし、「イカの梅干蒸し」はまず、スルメイカを捌いて、イカの皮を剥いて鍋で蒸すしかなかったんですね・・・★ (>_<)
今回の撮影では、プロセスカットは常見カメラマンに「包丁を使っている場面」やら「鍋をかき回している場面」で「手タレ(ント)」をお願いしていたんです・・・。

わらびもち・これだけは、私の手です★
・・・それだけ、私に余裕がなかったからなんですが、彼はステキにこなして下さっていて、撮影は問題なく進んでいたんですが・・・。
最後に、どうしてもっ!
鍋で「わらびもち」を作る瞬間を撮影する時間を作りたかったんですが、スルメイカって実は、皮がとっても剥きにくく・・・★
撮影時間は押すしで、とうとう★

イカの梅干蒸し・プロセス★
「・・・山野さんは、わらびもちの撮影して下さい、ボクがイカの皮をやってみます・・・」
という・・・お言葉を戴いたので、私は常見カメラマンに「イカの皮を剥かせる」という偉業を・・・。 (T_T)
・・・彼、イカの皮剥いたの、何回目だったんだろうか・・・★
と言うか、コレってカメラマンの仕事じゃない(!)ですよね・・・。
ホントに・・・お二方、ホントに、ありがとうございますっ!!!
とにかく「わらびもち」が何とか終り、イカ料理も終って無事に、撮影を終了する事が出来た時には私は、心底ほっとしたのでした・・・。
さて「和心レシピ」の前に「ねんきらレシピ」を700くらい手掛けていたのですが・・・。
たくさん勉強にもなりましたし、レシピ数も増えて嬉しかったんですが・・・やっぱり、これほどの数を日常生活ではこなせないよなぁ、と思うようになっていたんです・・・。

「ねんきら」最後のお膳カット☆
そこで、1年は12ヶ月ですから(!)
「一つの種類(例えば、ゴハンもの)で、歳月カレンダーのように12種の紹介であったなら」。
・・・手には取りやすいしと考えましたし、また12品目程度であれば、思い出すのも容易だし・・・で、1年楽しく過ごせる作品として手掛けられたら良いなぁ・・・。
それにはぜひ、お一方だけの創作でこなさなくてはと、私なりに考えていたんです。
清水先生には、最後まで関わって頂けまして、本当に感謝をしています。
ありがとうございましたっ!
・・・それにしても、私自身、8品の料理撮影を初めて、枕からお尻まで!

和心の初めてのお膳カット
カメラマンの千葉さん、常見さんの、ボーーダイっな(!)ご協力のもとに終了する事が出来てっ、しばらくはマジメに、虚脱状態でありました・・・。
5年間、ともかくも料理に(私としては)向き合い、日本人の季節や生活感、そして食材と真っ向に向き合い、時代性や風俗に今一歩深く入れた気がしています。 (^_^)/
・・・こんな事が出来たのは、本当に私のご先祖さまのおかげでもあるとも思い、とても感謝をしています。
もともとは、「殺陣という枠だけではなく、時代劇というエリアに目を向け」。
・・・そしてちょっぴり、「林邦史朗の手掛ける舞台に、企業が協賛してくれる切っ掛けになれたら良いかな」なんて思いもあって、始めました料理のHPでした。

カメラマンに評判の良かったお味噌汁★
・・・結局、始めて3年目に林先生が亡くなってしまい、ある意味・・・私自身を支えてくれる存在となった時間もあり。
また「ねんきら」を終了する決意をした時、もう1年だけ・・・和の深いところを学びたいと考えて続けて来たHPでありました。
・・・「5+6月分の撮影」が舞台の仕事などでズレ込み、ようやくに9月に撮影を終えましたが・・・諸々あって、エッセイだけは全てが終了してからサイトアップをしたかったので、今日の日となりました。
和心レシピ、今まで本当にありがとうございました。
この方達を糧にしてまた、新しいスタートを切れそうです。
今まで読んで下さった皆さま、本当にありがとうございましたっ。
<<文責・山野亜紀(女 邦史朗) 2018.11.20更新>>