一族が揃う、盂蘭盆会(うらぼんえ)。
今日のテーマは、一品持ち寄り、
・・・それぞれ、みんな、負けないゾ!
私が作るメインの品は、マグロと山芋、自慢の湯葉巻き☆
8月の行事食は、・・・マグロと山芋の湯葉巻き☆

マグロと山芋の湯葉巻き・材料
- 汲み上げ湯葉………2枚
- マグロ………60g
- 山芋………5cm
- 大葉………8枚
- しょう油………適量
- ワサビ………適量
①.湯葉は広げて、長さを2等分にする。
マグロは8等分に切り、山芋はスティック状に切る。
②.湯葉を縦長に置いて、手前に大葉、マグロ、山芋をのせて、春巻きを包む要領で(初めに手前を畳み、左右を畳んでから、手前から奥へクルクルと)巻いていく。

マグロと山芋の湯葉巻き・工程
③.巻いた湯葉を2等分に切って器に盛りつけ、わさび、しょう油を添える。
「和心文化メッセンジャー」・・・山野亜紀からの一言♡
こちらのコーナーでは、日本の行事に関わる「行事食をテーマ」に、ご紹介をしています。
・・・毎月テーマが違うので、楽しみにしていて下さいね♡
日本で8月の行事といえば、縁日、夏祭り、花火大会に盆踊り・・・などなど♡ (^_^)/

8月のお膳
今でこそ、故郷に里帰りをする人や、地域の人との親睦の場にもなっている「盆踊り」ですが、もとは「ご先祖さまの霊をお迎え・お見送りをする行事」であったそう。
・・・死者の供養の為に人々が謡い、踊られていたのが、そちこちに広まって・・・今のような「民族舞踊としての風習」になったとか。 (‘_’)
そして「盂蘭盆会(うらぼんえ、つまり・・・お盆★)」といえば、華を添えるのが精進料理です。
殺生を禁じる仏教の教えに則り、「仏教の修行をする人が食べる料理」が、コレ。
なので、肉や魚は避けて・・・とは言いますが★
・・・お盆といえば、また人が集う場でもあります。
なので手早く出来て、しかも目にも麗しく、華やかな一品を・・・という事で、8月の行事食は「マグロと山芋の湯葉巻き」となりました。
湯葉で巻くというのが、ちょっと精進っぽくて良い感じ♡
・・・そして精進といえば、お豆腐は付き物。

マグロと山芋の湯葉巻き・巻いている様子
その「原料である豆乳」を温め、表面に張った膜を掬い上げた「汲み上げ湯葉」さんですから、そこには大豆のパワーがたっぷり!
タンパク質に鉄分、カルシウムと、「栄養の立て役者が3人、揃い踏み(!!)」と来ております☆ (^_^)v
・・・ただでさえ栄養のある湯葉を、また春巻きの如くにクルクルと。
その傍らには、滋養効果の高い山芋さんが、しっかりと脇を固めておられますっ!

マグロと山芋の湯葉巻き・材料
・・・ところで、お江戸と呼ばれる時代は大変に長くて、その初期の当時は、今回の主役となるマグロさん。
「下魚(!)」として、とにかく嫌われまくっていたんです・・・★
漁獲量も当時は、それ程には多くはなかったよう。
・・・それが何故だか、13代将軍・家定の頃になって、いきなり大漁に網に掛かる(!)という、事件が起こります・・・っ!
はてさて、人気がない処に持って来て、大量に市場に流れまくった・・・マグロさん★
いやがおうにも、その価格は、大暴落・・・っ!!!

葉月のお膳
・・・ところが、そこに目を付けたのが・・・お江戸に暮らす、一介の鮨屋!
「こりゃ、いけるねっ」
という訳で、そこは一見、マグロと見破られぬように「しょう油に漬けて(いわゆる、ヅケにして★)、匂いや色をごまかして!」の、握り鮨での販売に・・・・・・。
いや、これがとにかく、お江戸の巷では受けました・・・。 (T_T)
・・・これでようやく、一人前の寿司ネタになれたという・・・マグロさんなんですが★

マグロと山芋の湯葉巻き
店の暖簾(のれん)に傷が付くからと、握りの元祖と伝わる鮨屋の「与兵衛」さんでは、・・・何とっ!
・・・大正12年(!)の「関東大震災で廃業をするまでは(!)マグロには一切、手を付けなかった!!!!!」というから、驚きです・・・。
うーむ、さすがは江戸っ子・・・★ (^▽^;)
・・・昨今では、ごちそう感が満載な・・・マグロさんに、旬の大葉が彩りと華を添えます。
今年は、お盆のごちそうに、こんな献立はいかがでしょうか。 (^_^)/
※撮影で使用した湯葉は、こちら!・・・「引き上げ湯葉(千丸屋)」(5枚入りで、750円☆)
<お盆飾り(正式)>
ほおずき・・・提灯の代わりに下げる事も。
笹竹に草縄・・・四方をぐるりと。
マコモのゴザ・・・病魔を太地し、邪気を祓うマコモ(イネ科の植物)で作るゴザを敷く。
水の子・・・洗米と「さいの目に切った、キュウリやナス」を、蓮の葉に乗せたお供え。
みそはぎの花・・・水に浸してあり、供え物を清める。
そうめん・・・ご先祖さまの、お食事。
生花・・・キキョウやハギなど、季節の花を。
野菜・果物・・・季節のモノなら、何でも。
キュウリ馬・・・この馬に乗って、早くご先祖さまが家に到着する事を祈願。
ナス牛・・・帰りは、ご先祖さまにはこの牛に乗って、ゆっくりと帰って戴けるようにと祈願。
※お盆は新暦なら7月、旧暦なら8月の13~16日まで。
※13日は朝に盆棚を調え、夕方には焙烙(ほうろく)と呼ばれる皿に、麻の茎を乾燥させた「麻幹(おがら)」を井の字に組んで迎え火を炊く。
※16日は最終日なので、盆棚を片付け、送り火を炊く。
※代わりに、川や海に盆棚のお供えを小舟に乗せて流す「精霊(しょうろう)流し」や、「灯籠(とうろう)流し」など、地域によって異なる。
<2017.8.7更新>