炎天下! 負けるものかと、思えども。
・・・したたる汗に、女房のねぎらい、
野菜たっぷり、夏場の冷や汁。
8月の脇役は、・・・冷や汁☆

冷や汁・材料
- アジの干物………1枚
- 木綿豆腐………1/4丁
- ナス………1本
- キュウリ………2/3本
- ショウガ………1片(1片は、親指の1関節分程度)
- 大葉………3~4枚
- 味噌………大さじ1.5
- 白煎りゴマ………小さじ2
- だし汁………400ml
①.豆腐は水切りをしておき、アジの干物は香ばしく焼いて身をほぐしておく。
(水切りの方法は、こちらのレシピを参考に♪)
②.ナスは銀杏切り、キュウリは小口にスライスして、塩味をしっかり感じる位の塩水にさらしておく。

冷や汁・野菜をさらす様子
③.すり鉢に煎りゴマを入れて擂り、味噌も加えて擂り合わせ、そこにだし汁を少しずつ注いで味噌をのばしていく。
④.③に、ひと口大にちぎった豆腐とアジの干物、軽く水分を絞った野菜と千切りにしたショウガ、大葉を加えたら、よく冷やす。

冷や汁・野菜は、軽く水分を絞る程度で
⑤.器によそい、氷をいくつか浮かべる。
「和心文化メッセンジャー」・・・山野亜紀からの一言♡
こちらのコーナーでは、汁物を敢えて「脇役(!)」として、ランダムに毎月ご紹介をしていきますので、どうぞお楽しみに!

8月のお膳
ゴハンとくれば、汁物。
平安の頃には、すでに「貴族は1日2食」と決まっていたそうで、その合間には、菓子や果物を摂っていた・・・と資料にあります。
・・・その当時から、供御(高貴な方の食前の意★)に、「御メグリ7種、御汁2種ナリ」と、記載してあるそう。 (゜_゜ )
はたまた、平安時代に日本で施行されていた法律・律令の細則「延喜式」では、宮廷中心の行事食の献立が、、、
ん????
・・・・・・・・・考えてみれば、宮中での行事食とはいえ、「法律で献立が規定されていたっていう事ですかっ!?」
・・・驚愕はともかく、その頃から「汁物料」なる言葉が、当時の書物でも使われており・・・。
また「汁物は、時により調味不同、多くは鮑汁、寒汁を供す。汁実は別杯に盛りて供す」だの。
「寒汁(冷汁)には汁実、わさび、板目塩、とろろ、橘は同盤に盛る」などと書かれているのだと、資料にあります。
これらの資料は、「厨事類記(平安末期から、鎌倉末期にかけての献立や、お膳の据え方、食器の寸法や調理法など記した書物)」に書かれているモノで、食物史では、とっても大切な資料なのですって、へ~え★ (‘_’)

冷や汁
ともかくも、平安の頃より(!)
・・・貴族と庶民が、「まったく同じ食膳が調えられていた(!)」という訳ではありませんが、冷汁という献立自体は、その頃の日本にはもう存在していたんですねぇ。
・・・そして冷汁という料理は、てっきり九州は宮崎の郷土料理なのだと思いきや★
以外にも埼玉やら山形を始め、そちこちの土地で愛されている料理である事を今回、私は初めて知りました。
・・・考えてみれば昔の人は「忙しいのに汁物をいちいち、火を熾してまでして温めなかった(!)」のではないかと、思い至ります・・・・・・★ (^^;)
「冷や汁」は、田畑で忙しい「農民食」や、戦場での「陣中食」としても大・活躍☆
・・・その起源はといえば何でも、お坊さんが「お味噌を使った料理を、全国を修行で行脚している折に、各地で地味に流布して来た」というお話で・・・。
なので、その土地土地に沿った形で根付いていったとの事で、ありました。 (^_^)/
今回は「汁物として、ご紹介」をしておりますが★
また別の土地では、例えばゴハンにかけての「ぶっかけ飯!」にしていたり、中には素麺を入れてみたりで、それぞれの土地で、何だかとっても愛されている様子。 (〃∇〃)
・・・また中に入っている具の一つ一つも、全体的には野菜が中心(!)なので、考えてみればこのくそ暑い時期に、とっても嬉しい献立だとも思えます・・・♡

冷や汁・材料
夏野菜には「身体を冷やす効果♡」がありますが、逆に冷やし過ぎても毒なのだそうで、血行を促したり、身体を温める効果のあるショウガやら大葉、そしてお味噌も活躍をして下さいますから、この時期には嬉しいですよね♡
・・・かような訳で、その土地土地によって、冷や汁にも様々な作り方があるそうですが、今回は鯵の干物を使って、暑いこの時期ですから余り、ガスの火は使わずに、手軽な一品として、ご紹介をして戴きました♡

葉月のお膳
・・・うーむ。
実は私、初めて「魚が入っている、お味噌汁★」というのを食べたのですが・・・。
けっこうに、私にとっては挑戦だったんですが、食べてみたら、全然美味しかったのでビックリしてしまいました☆
皆さまも私のように二の足は踏まず、ぜひぜひこの機会にお試し下さい♡ (^_^)/
■山野亜紀のHP「ねんきら☆」でも、よろしければお楽しみ下さい☆
※「鯵深し、トマトに生姜だ、日本人」~旬エッセイ・2014
<2017.8.21更新>