長月の、お漬け物は・・・?

食べてみな。
日陰の身ながら、隠れた刺客だ、
恐れ入ったか、半干し大根の辛子じょうゆ漬け!

料理/清水 紀子

9月のお漬け物は、・・・半干し大根の辛子じょうゆ漬け

半干し大根の辛子しょうゆ漬け・材料

<材料(作りやすい分量)>

  • 大根………300g
  • 切昆布………5g
  • (a)しょう油………大さじ2.5
  • (a)酢………大さじ1.5
  • (a)みりん………大さじ1
  • (a)辛子………小さじ1

<作り方>

①.大根は皮を剥いて、1cm角位の拍子木切りにする。

②.①をザルに広げて、風通しの良いところに1日置いて、半干しにする。(日陰でOK!)

半干し大根の辛子しょうゆ漬け・過程

③.清潔な保存容器に②と切昆布を入れてから、(a)を混ぜ合わせた漬け汁を注ぎ入れる。

時々天地を返して、均一に漬かるようにして下さい。
翌日から美味しく食べられますが、5日~7日を目安に食べ切る感覚で、どうぞ。

「和心文化メッセンジャー」・・・山野亜紀からの一言♡

こちらのコーナーでは、日本の伝統の味!
お漬け物を、連載していきます。
毎月、違ったモノが紹介されますので、お楽しみに!

お江戸の風俗を調べていた折に、杉浦日向子さんの御本をよく読んでおりました。
そこには「江戸人の舌は、三白に集約される(!)と、ありました。

・・・三白とはつまり、白米豆腐大根のこと。
他に鯛と白魚を加えて「五白」と数えてもかまわない、ともありますが★
・・・以外に江戸人、淡白でデリケートな味わいがお好きであったよう。 (‘_’)

また江戸人にとっての「料理」とは何とも、特別なモノであったよう。
・・・御本には、「毎日の栄養を摂るのが、おかず」なら、「料理は風流であった(!)」とか。

何でも、「香を利く」とか「花をいける」・・・などの類いになるそうで。
毎日、お腹が空くから口にするというシロモノ(つまりは、おかず)とは違って、「料理とは趣味の範疇(!)で、イキで口にするモノ」であったのだと・・・★ (^^;)
そしてこの、微妙な「白い食材の味わいが制覇できれば、あなたも一流の江戸人の味覚なりっ!」とも御本にあります★

例えば、お米の品種を、一口食べて当てられる・・・。
豆腐の「豆の香り」で、どこの豆だか、かぎ分けられる・・・。
大根の産地を、言い当てる!
・・・そんな繊細な味覚・嗅覚を持つ江戸人になるには、現代ではまず「調味料断ち」をしないと、この微妙な味わいを分別できないのだとも・・・資料に。
・・・まぁ、江戸人ってスゴイ・・・★ ( ̄_ ̄ i)

・・・ちなみに、今では大根さんは、年がら年中スーパーや八百屋さんでお目に掛かれてしまうお方ですよね。

同じ品種であっても、どちらかといえば、夏場のモノは繊維が固くて、しかも生食には味が辛すぎ(!)
ところがこれが、冬場になればなるほど。
・・・寒くなるばなるほどに、水分もきめも、甘味も増して美味しくなっていくのでありますが・・・。

今は9月。
まだまだ秋の入り口の時期なので・・・大根さん、とんがった辛味をお持ちです★
なので、そんな大根さんの個性をこますためにも、この度はちょいと一工夫(!)
こんなお漬け物と、なりました。 (^_^)/

半干し大根の辛子しょうゆ漬け

軽く干して水分を飛ばすことでまず、「夏場の大根の持つ、独特な辛味成分は揮発性(!)」
なので、この作業の時点で辛味が飛んで、より大根が本来持っている甘味がいや増していくのだとか。
そして味染みも、格段に良くなるのだそうです。 (〃∇〃)

長月のお膳

辛子の風味で深みが増して、昆布のグルタミン酸で旨味もパワーアップ!
お酢を加えることで、さらに味もしまって、美味しくなります・・・♡

冬場の大根ではなく、夏の終わりの今の大根だからこその成せる技!
大根とお酢と昆布の旨味使い、ぜひとも堪能して戴きたいお方です。 o(^▽^)o

■山野亜紀のHP「ねんきら☆」でも、よろしければお楽しみ下さい☆
「あぁ、お江戸。大根に長ネギ、そして牡蠣に日本人」~旬エッセイ・2013

<2017.9.4更新>

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