長月の、野菜料理は・・・?

古くから、知られるぞよ、金時パワー!
大地の豊穣、じんわり伝わる、
いけてますねぇ、レンコンとニンジンで作ったきんぴら!

料理/清水 紀子

9月の野菜料理は、・・・レンコンとニンジンのきんぴら

<材料(作りやすい分量)>

レンコンとニンジンのきんぴら・材料

  • レンコン………中1節(約200g)
  • ニンジン………1/3本(約60g)
  • (a)みりん………大さじ1弱
  • (a)しょう油………大さじ1弱
  • (a)だし汁………大さじ1
  • 酢………小さじ1
  • サラダ油………大さじ1
  • 炒り白ゴマ………適量

<作り方>

①.レンコンとニンジンは、スライスする。

②.フライパンに油をひいて中火にかけたら、まだ油がぬるいうちに①を加えて、炒める。

③.レンコンが透き通ってきたら(a)を回し入れて、水分がほぼ無くなるまで炒め煮にする。

レンコンとニンジンのきんぴら・仕上げにお酢を入れる様子

④.酢を回し入れ、ざっと混ぜ合わせたら火からおろして、白ゴマを好みの量ふる。


「和心文化メッセンジャー」・・・山野亜紀からの一言♡

・・・お総菜料理の中でも、定番中の定番!
今回はレンコンさんと、ニンジンさんのきんぴらでございます~☆ (^_^)/

長月のお膳

はてさて、ところでこの「きんぴら(!)」という名前の語源を皆さま、ご存知ですか・・・?
・・・実はコレって、かの有名な「マサカリ担いだ、金太郎~♪」で知られる、坂田金時さんの息子さん(!)
金平さんの名前から来ているんだそうで、まぁ、びっくり★

「きんぴら料理」と言えばまず、有名処なのはやっぱり、ゴボウさんでしょうか。
・・・お江戸の頃は、「ゴボウは、精の付く食べ物!」として崇め奉られていたよう。
なので、怪力で知られた金平さんにちなんで付けられたのが、この名前・・・。
素材がニンジンになっても、大根になっても、このお料理の名前は「きんぴら」と呼ばれるようになったとか。 (‘_’)

・・・何でも当時の日本の農家が、一番よく手掛けていた作物というのが、根菜類(!)
嚼みでがあって、食べればお腹がいっぱいになる作物こそが、かの頃では人気ナンバー1だったそう(!)

逆に葉物は、あんまりお腹には溜まらないせいでか、畑の作物としては、手掛けてきてはいなかったんだとも・・・資料に★

今では余り食べられていませんが、お江戸の頃には、近くに生えている草をそれぞれが摘んで、おかずにして食べていたみたいです。(´_`。)

なので、古くから日本で栽培されていたという根菜類なんですが・・・。
ニンジンさんもレンコンさんも、当時はその全てを食用とされてきました(!)

例えばレンコンさんでいうなら、根の部分はもちろんのこと、巻葉は油炒めやお浸し、すまし汁の実にしてみたり。

京都の銘菓・れんこん餅

・・・匍根(はえね、つまりワサワサとレンコンの周りに生えている根っこの事★)までも、お茶菓子の材料にしてみたり。
こちらは、「刺身のツマ」にも使われていたとありますが、こんな使われ方をされていたのは、江戸時代の初期の頃までだとか★

・・・もっともレンコンさんは、お江戸というよりは、どちらかというと上方で愛されていた感があるので、だからこその茶菓子使いだったのかも知れませんね。(写真右も、京都の銘菓ですし★)

対するニンジンさんはといえば、昔は赤い食材がとにかく少なく(!)て、だからこそ、とーーーっても重宝をされていたお方のようなんです。
・・・なので葉っぱの方も、たとえばゴマ味噌和えにして食べてみたり、一度茹でてからの・・・これに調味料や、汁などかける浸し物で・・・などなどと、愛されていたようです。

東洋種のニンジン

ところがお江戸は十二代将軍・家慶の頃にもなると、葉を食べることも、だんだんに廃れていったのだとか・・・。
・・・これは、おそらくは現代のように(!)
ニンジンは、大地から抜かれた時点で、葉が根っこの栄養を吸い取ろうとするので、出荷の際に「葉の部分を切って」行っていたからではないかという・・・そんな事を想像する私であります。。。 (〃∇〃)

はてさて、そんな・・・レンコンさんとニンジンさん、このダブル使いについてなんですが。
免疫力アップのパワーの高い(!)βーカロテンがたっぷりな、ニンジンさんと。
意外にもビタミンCが高い、レンコンさんです。

レンコンとニンジンのきんぴら

・・・普通は火を通すと壊れやすいビタミンはCさん(!)
ところがレンコンさんの場合、その持つ豊富なデンプン質が守って下さるから、壊れないのだとも・・・資料に。
はたまたレンコンさんには、「粘膜を守ってくれるという、粘りのあるムチン」も持ち合わせておられるので、その組み合わせは、ビミョーに不安定なこの時期には、風邪予防の効果もあります♡

また今回のレシピでは、最後にお酢を加えております!
・・・こうする事で味も締まり、何よりPH(ペーハー)が酸性に傾いて下さるので、実は今回は「塩分が控え目レシピ☆」なんですが、それでも美味しくて満足できる味わいに♡
またお酢のクエン酸は、消化を助けて下さったり、保存の効果も高めて下さるしで、さらにはゴマパワーが風味と栄養素も引き立てて下さいます。 (^_^)v

ちょっぴり挑戦なお酢使いで、味を極めてみませんか?
古来より日本で活躍を続ける、すてきなオカズです♡ (^_^)/

■山野亜紀のHP「ねんきら☆」でも、よろしければお楽しみ下さい☆
※「人参は江戸の時代から? 鰤は下魚、日本人」~旬エッセイ・2014
※「ハスは古いか、花愛でる。いつから食べたか、金目鯛!」~旬エッセイ・2015

<2017.9.11更新>

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