「サンマ苦いか、しょっぱいか、命繋げた、サツマイモ!」

「サンマ苦いか、しょっぱいか、命繋げたサツマイモ!」~神無月の旬エッセイ

・・・一見、見るからに長やかな・・・秋の風物詩とされるサンマさんなんですが★
今でこそ、秋の代名詞的(!)とまで呼ばれる大衆魚で、とにかく秋と言えばサンマ。

サンマの塩焼き定食★

その音も、形が細長いから「サ(狭い、細い)」から「サマナ(狭真魚)」がなまって・・・だとか。
・・・はたまた、群れなして泳ぐ習性から、「サワ(沢)」と「魚(マ)」が訛った・・・などなど。
今では「秋の文字をあてて、秋刀魚とよく書かれています」が、この字が当てられるようになったのは、ホントにごく最近の事なんですって、へ~え。 (‘_’)

・・・「秋に獲れる、刀のような形をした魚」の意味からなのか・・・???
「秋刀魚」の文字が当てられるようになったのは、実は大正になってから(!)

また、その食べ方も、今でこそ当り前になっている生食なんですが、実は1990年代を過ぎてからポピュラーになりましたっ!
・・・それまでは、土地の人がどうかというくらいで、特に山間部などでは、干物や塩蔵で食べることが殆どだった・・・と、資料にあります。

・・・まぁとにかく、サンマを漁業対象にしている国というのは、日本くらいしかない(!)のだとも・・・資料に。
サンマさん、日本では「秋の代名詞☆」とまで叫ばれているお方なのに、海外では人気がないんだ、、、
意外な、真実であります。。。 (´_`。)

現代のサンマ漁(棒引き網漁)の様子

そんな・・・日本でのサンマ漁も、その発祥はといえば、お江戸は三代将軍・家光の終わり頃だったそう。
なんと、まずは紀伊から始まったのだとか。
・・・そして同じような漁法が安房(千葉県)にも起こって、ようやく江戸中期になって、庶民の間でも食べられるようになりました。

・・・ところが、それまでのサンマさん★
かのお方の役割は、食用ではなく「魚油を採るだけの魚」だったんだそうです。
・・・なんだか、意外続きのオンパレードなんですが、これってホントの事なんです★

江戸の世ではもちろん、電気はありません・・・なので、暗くなったら行灯を点ける訳ですが、菜種から採った油は高級だった・・・!
なので庶民は、廉価な魚油ばかりを使っていたのだそうです・・・。

魚を焼くと、網に匂いがつきますよね。 (^_^;)
秋刀魚の油で行灯を使うと、黒い煙と共に匂いが出てしまい・・・。
・・・サンマを食べるようになると、匂いが出るから逆に屋外で、七輪などで焼くようになり、十代将軍・家治の時代にはようやく、大衆魚にまでなれました。

・・・そういえば、サンマさん。
ウロコは小さいうえに、とても剥がれやすいんだとか。
・・・なので、漁船から水揚げされる際に、その殆ど取れてしまうんだそうです。

なので逆に言えば「下拵えもカンタン♡」で、調理もしやすくて手間いらず。 (^_^)/
しかも、「サンマが出るとアンマが引っ込む」なんてコトワザもあるくらいで、健康を増進させる食材なせいか・・・。

はたまた、落語「目黒のサンマ」のネタにもなるくらいに・・・秋刀魚さん。
十一代将軍・家斉の頃ともなると、中流階級以上のお方までもが口にする程に普及をされました♡

・・・はてさて、サンマさん。
ダツ目ダツ上科サンマ科サンマ属で、海棲硬骨魚。
日本では2種類に分かれるのだそうで、一方は、日本海をこよなく愛してお暮らしになっているお方と。
・・・はたまた、北大西洋だけ(!)がお好きなお方に分かれるそうで、スーパーで出回っているのは、こちらのお方ばかりなのだとか。

その産卵は「秋から春にかけて」で、日本海でなら・・・夏にされていると言いますから、こうして見ると・・・サンマさん★
・・・人様の如くに、日本近海では年中・・・どこかしらで産卵をされているんですねぇ、へ~え。

卵の大きさは、1.7~2ミリくらいの大きさなんだそうで、メスが流藻なんかに産み付けるんだそう。
それが10度から25度の水温で孵化をしますが、水温が高いほどに、孵化日数が短くなるんだそうです。 (゜_゜ )

また今回、驚いたんですが、サンマには胃袋がない(!)
・・・しかも、他の魚に比べて腸も短い!!・・・のだとか。
なのでエサを食べても大体、20~30分くらいで消化・排泄をしてしまうので、サンマはハラワタに臭みが少ないんだそうです。

・・・そういえば、サンマはハラワタを食べる人もいますけれど(私は、食べる派♡)
これって、こういう意味だったんですねぇ~。

また、そのお口も小さいせいか、プランクトンや小型の甲殻類、オキアミなどをお召し上がりになるそうで、その寿命は2年ほどだとか・・・★

サンマの甘辛煮

がんばっても、40センチくらいまでにしか成長ができないという・・・そんなサンマさんなんですが。
血液の流れを良くする効果のあるEPAは、脳梗塞や心筋梗塞を予防して下さいますし。
・・・はたまたそこに、悪玉コレステロールを軽減させて下さったり、脳細胞を活性化して下さるDHAが活躍!
含まれるビタミンDには、骨を丈夫にして下さる効果もあるので、成長期のお子様や女性にもぴったり♡

・・・とにかく、サンマさん。
あまりにも「年中を、生命の危険にさらしすぎている・・・っ!」せいか、臆病がすぎて、すぐにパニックを起こしてしまうのだそうで、養殖には向かないそうで・・・。(^▽^;)
なので流通しているモノはすべて、天然モノなのだそうです。

神無月のお膳

・・・天然モノって、うれしいお話なんですけれども、ただこのお魚の脂は、ても酸化しやすいのが難点★
時間が、経てば経つほど。
加熱をすれば、するほどに酸化をしてしまい、逆に血液をドロドロにしてしまうのだそうです・・・★
・・・なので、調理をしたら、即食べを基本に!
美味しく、しみじみと味わって秋を満喫して戴きたい処です。 (^_^)v

・・・さて、もう一つの旬食材、サツマイモさんの方に参りましょう。
揚げてよし、今月ご紹介している糧飯、ゴハンに混ぜてのイモ飯、イモ粥、煮ても焼いても蒸しても良し!・・・何にでも良し☆の、サツマイモさんです。

その人気は米に匹敵する勢い!・・・な、お方なんですが、いざ保存(!)といなると、米の保存性にまでは肩を並べる処まではいかなかったとか★ (‘_’)
・・・弥生時代になって、稲作を覚えた日本人ですが、「お米って、やっぱりすごいんだなぁ~」と感じいる瞬間であります・・・。

1万年も続いたという縄文時代ですが、その狩猟生活に終止符を打ち、稲作に移っていったには、ここに焦点があったんですねぇ・・・。

何でもすぐスーパーで手に入る時代に生まれてしまうと、こんな当たり前で大事な事に「うろっ!」としてしまいますが、ホントに食べ物って大事で、有り難いモノだと痛感致します・・・。

はてさて、サツマイモは、ヒルガオ科の植物だそう。
栄養が行き届いた畑でだと、逆に育たず
・・・痩せた土地だからこそ成長をする・・・サツマイモさんは、お江戸は二代将軍・秀忠が江戸城を納めることになったという1605年に、日本へやって来ました。

中国は「明への親貢船の事務官」であったという野国総管(のぐに・そうかん・・・琉球時代の役職名なれど、一個人★)が、かの地から持ち帰ったのだそうで、まずは琉球で栽培したのが切っ掛けになったそう。
・・・とにかく、痩せた土地でもよく育つとの事で、その10年後には、本土に上陸。
九州は平戸に住んでいたという・・・英国人のコックスさんが、土地で栽培を始めました。

それが今度は、三代将軍・家光の時代には伊予宇和島にも広まって、五代の綱吉さんになると、今度は愛媛の今治へも普及☆

・・・それからとうとう愛媛の土地をも飛び出して、瀬戸内海の島々にまで伝わっていったのは、とにかく救荒作物としての優秀さが認められていたから・・・☆
で、八代・吉宗さんの辺りまで来ると、島根でも試作が始まりました。

・・・何しろ、吉宗さんの時代には「享保の飢饉」というのがありましたから。
その折に・・・サツマイモを作っていた薩摩藩では、餓死者が少なかった(!)という事から、「その強い生命力と、栄養価」がとても買われるようになったのだそうです。

江戸では吉宗の命で、青木昆陽(別名・甘藷先生と呼ばれるほどに力を尽くした★)が試作を始めたのですが、これがさらに勢いを増して、八丈島にまで上陸!
・・・遠方の島の飢饉までをも救ってしまうという、大スター(!)にまで、なりました。 (〃∇〃)
・・・11代将軍・家斉の時代の頃になると、今度は愛される余りに「甘藷百珍」なんて料理本まで出来てしまう始末です。

さつまいもごはん・2

「サツマイモの旬」は9~11月頃なんですが、これを上手に貯蔵すれば、逆に水分が抜けて「1月~3月頃までの方が、逆に美味しく食べられる♡」とか。
・・・米ほどとまではいかなくても、収穫の少ない冬の時期に活躍してくれる、ホントにステキな食材なんですね、サツマイモさんって。

ところでイモといえば、今も愛されている焼き芋なんですが・・・。
お江戸の頃には、関東では「お店での販売が主だった」ようですが、関西では蒸しイモが主流で、行商人が売り歩いての販売に★
・・・そちこちで愛されまくったサツマイモさんは、明治ともなると今度は、はるか遠くの小笠原までも伝わっては、民を助け続けていたそうです。 (。・ω・)ノ゙

それが第二次世界大戦の頃になると、何しろカサがあるから、米の代替に良い!と奨励をされて、栽培もさらに強化!!

・・・そして戦争が終れば終ったで今度は、資材不足の折から、アメリカのGHQにまでも命じられて・・・なんと(!)
味噌のカサ増し(!!)にまでも活躍をさせられたとかで、「サツマイモさんの芋生」にも、かな~りな紆余曲折があったようです。 (T_T)

・・・イモ類なので、糖質(!)ではありながら。
炭水化物の代謝を促して下さるビタミンB1も含んでいるので、エネルギーが燃焼しやすいのだとも・・・資料に。

ねんきらより、さつまいものオレンジ煮

また含まれるビタミンCには、美肌効果があるので、この夏に痛んだ肌をやさしく癒して下さいますし、豊富に含まれる食物繊維には、便秘予防はもちろん、黄色いサツマイモの種類(金時など)なら、カロテンも多く含まれています。

・・・このカロテンは「体内で、ビタミンAに変わる!」のだそうで、夜盲症や視力の低下を防いで下さるんだそう。

何だか身近に感じられるサツマイモさん★
・・・その栄養と歴史を噛みしめながら、しみじみと・・・味わおうではありませんか。

<<文責・山野亜紀(女 邦史朗) 2017.10.31更新>>
※山野 亜紀(女 邦史朗)プロフィール

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