師走の、脇役は・・・?

・・・お山から、灰が降ってくるぞぇっ、
そんな時は、こいつだぜっ、
灰降る夜に、大事な相棒、今日から食べるぜ、たぬき汁!

料理/清水 紀子

12月の脇役は、・・・タヌキ汁☆

材料(2人分)>

タヌキ汁・材料

  • コンニャク………100g
  • ゴボウ………30g
  • 大根………70g
  • ニンジン………50g
  • ネギ………1/2本
  • シイタケ………2枚
  • (a)だし汁………200ml
  • (a)水………200ml
  • 味噌………30g
  • サラダ油………小さじ2

作り方>

①.コンニャクは、たっぷりの塩(分量外)で揉むようにしてアクをのぞき、流水で洗い流したら水気を拭く。
大きめのスプーンで、ひと口大にちぎる。

タヌキ汁・まずはコンニャクから。

②.大根、ニンジンはイチョウ切りに、ネギは乱切り、シイタケは石突を除いて4等分し、石突の柔らかい部分をスライスする。
ゴボウは、皮をこそげて「ささがき」にして水にさらしたら、すぐにザルに引き上げる。

③.鍋に油小さじ1.5をひいて中火にかけて、コンニャクを炒める。

④.コンニャクに油が馴染んだら残りの油を加えて、他の野菜も一緒に炒める。

⑤.全体に油が回り、何となく野菜がくったりとしてきたら(a)を注いで火を強める。

⑥.煮立ち、アクが出てきたら除いて火を弱め、蓋をして10分程煮る。

⑦.味噌を溶き入れ、火からおろす。


「和心文化メッセンジャー」・・・山野亜紀からの一言♡

こちらのコーナーでは、汁物を敢えて「脇役(!)」として、ランダムに毎月ご紹介をしていきますので、どうぞお楽しみに!

12月といえば、冬至です!
冬至の行事食というと、カボチャくらいしかないと、私は考えていたんですが・・・★
「運盛り」と申しまして、「んの文字の付くモノ」を食べると縁起が良い運気が上がる!と・・・言われていたそうです。
何でもこうして調べてみるというのは、良い事なのですね・・・。 (^▽^;)

特に「んの文字が、2つくっついている言葉」が、良いそうで。

南京(なんきん)、蓮根(レンコン)、人参(ニンジン)、銀杏(ギンナン)。
それに金柑(キンカン)、寒天(カンテン)、饂飩(ウンドン)は、「冬至の七種(ななくさ)」とも呼ばれているそう!
今年はちょっと、挑戦してみようかと思う・・・私です♡ (゜_゜ )

さて、そうはいったものの・・・。
「何かこう、目新しい感じの食材って、ないものでしょうか・・・???」
と言う話に、なりました。
12月の旬食材を例えばカボチャ(つまり南京★)にしてしまうと、なんだか在り来たりで、今一つパッとしないような・・・。 ( ̄_ ̄ i)
そこで私は資料をあさり、ついに(!)
行事食の一つとして「コンニャク☆」の文字を、発見したのでありましたっ!

はてさて、コンニャクさんは皆さまご存知の通り、コンニャクイモが原料です。
・・・これって、サトイモ科の植物だったんですねぇ、へ~え。 (‘_’)

インドシナ半島が原産地だそうで、日本には平安の頃にやって来たのだとか。
このイモをすり潰してから水を入れて、練りながら煮詰めて、最後に石灰を加えます。
・・・アルカリ性の石灰を入れると、このコンニャクイモさんには、固まる性質があるんだそうですね。 (^○^)

はてさて・・・そんな頃、お江戸の後期頃ともなると、なんと(!)
この「イモを粉末にする」という、新・技術が発達しました! \(^_^)/

味噌田楽☆

・・「イモの姿のままで運搬をする」よりも、「粉末☆」にする方が、はるかにラクに輸送が出来ますっ☆

・・・その時から日本各地でコンニャクさん、フィーバーの時代を迎えましたっ!!
とにかく愛されているものですから、食べ方や種類にも、バリエーションが広がっていきます。
・・・それまでは、僧侶なんかが食べる精進料理であったのに、これからは大衆料理☆としての発展を遂げてゆきます♡

・・・何しろ、お豆腐に比べて日持ちはするし、とにかく廉価なのが魅力的☆でした・・・。
なんと「お豆腐一丁の、4分の1の値段」だったというから、驚きではありませんか。 (^▽^;)

和心でご紹介をしている味噌ダレをつけての「味噌田楽」は、手軽なせいか、一番人気のメニュー☆だったと資料にあります・・・。
そのバリエーションも例えば、凍り豆腐ならぬ、凍らせて乾燥させて作った凍りコンニャク
・・・こちらはもっぱら、煮染めで活躍♡
凍り豆腐より人気が高い時期もあったくらいで、すぐに糸コンニャクさんも登場しました。 (^_^)/

・・・なんとコンニャクさんには、「お腹の中の砂を出すという俗説☆」が当時は、あったそう!
「胃のほうき」であるとか、「腸の砂下ろし」なんて異名が付けられ、「体内を浄化してくれる食べ物♡」として喜ばれて、平素はもとより、季節の変わり目などにもドシドシと、お江戸の皆さまに食べられていました☆

一番に活躍をしたのが、1707年の富士山噴火の時(!)です。
「冨士から、山ほどに降ってくる火山灰」を、一気にお腹の中から出してしまおうと・・・お江戸の皆さま(!)
コンニャクを求めて後を絶たず、コンニャクの値段が暴騰した(!)とも・・・資料にあります。 (^^;)
いやぁ、お江戸の頃の皆さまの、必死な様が目に浮かぶようです・・・。

・・・ちなみに、味噌ダレを付けたおかず「田楽」と呼びますが★
いちいち味噌を付けるのが面倒になったので、って。
・・・お江戸の皆さまは、気が短いですね・・・★
なので材料全部を煮込んじゃったのが、今も方々で愛されている「おでん」の原型になったとも★

はてさてコンニャクさん、もとはイモから出来てはいますが、一体どんな栄養素があるものなのでしょうか。

・・・調べてみますと、その97%が水分!
栄養的には、さして期待出来るモノはないそうですが、敢えて言えば(!)
グルコマンナン、これは食物繊維の名前なんだそうですが、これのおかげで便秘予防はもちろん、体内の老廃物を排出する効果が高いのだとも。
・・・あながち、お江戸の皆さんの考え方も、そうは間違ってもいないような・・・。 (´_`。)

ローカロリー(97%が水分じゃ・・・★)で、ダイエットにも向くばかりか。
グルコマンナンには、血糖値の上昇を抑えてコレステロール値を下げてくださる効果も・・・。
糖尿病や、高脂血症の改善にも期待が持てます。

・・・料理動画でも、ご紹介をしておりますが、今の時期こそコンニャク★です・・・。
年末年始の高カロリー、かつ宴会料理に見切りをつけて、こんなお料理はいかがでしょうか。 (^_^)/
・・・ちなみに「たぬき汁」という名は、お江戸の頃にはホントに「たぬきさん」を入れて作られていたという・・・事であったそうなんですが★
タヌキって、とっても臭いお肉であったとか・・・。

なので、食感がとても似ている(?)から。
タヌキのお肉の代わりに、コンニャクを入れて作るようになったというのが、料理書の資料でも紹介をされております。
・・・食べてみると、まさに豚汁!
でもローカロリー・・・☆
年末にかけてのこの時期、このレシピをぜひ愛していきましょう!
体内浄化、悪~いモノを全部出してスッキリ、明るい未来が迎えられる・・・実に嬉しいメニューです。 (^_^)/

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