如月の、お漬け物は・・・?

素朴だけれど、華がある♡
お江戸の漬け物、考えたもんだな、
これで一杯、ニンジンが入ったきらず漬け!

料理/清水 紀子

2月のお漬け物は、・・・ニンジンのきらず漬け☆

<材料(作りやすい分量)>

ニンジンのきらず漬け・材料

  • おから………150g
  • (a)砂糖………大さじ4
  • (a)酢………大さじ3
  • (a)塩………10g
  • 鷹の爪………1本
  • ニンジン………1/2本

<作り方>

①.おからは、フライパンで乾煎りする。

ニンジンのきらず漬け・おからを煎る様子

②.全体がポロポロになってきたら、火からおろして(a)と、種を除いた鷹の爪を加えて混ぜて、全体に馴染ませる。

③.冷めたら保存容器に移して、皮ごと縦2~4等分にしたニンジンを埋め込み、漬ける。

※2~3日後が食べごろです。
※おからも一緒に食べられます。
※おからは3~4サイクル、2週間ほど持ちます。

「和心文化メッセンジャー」・・・山野亜紀からの一言♡

こちらのコーナーでは、日本の伝統の味!
お漬け物を、連載していきます。
毎月、違ったモノが紹介されますので、お楽しみに!

節分に続いて、第2弾!
おからを愛せよ、愛せよ、おから・・・と言うわけで、おからを使った「きらず漬け」のご紹介です。
・・・お江戸の頃の料理書を見てみると、「きらず汁」に「きらず鮓(すし)」なんて文字も見られますよね♡

「おから」とは、そもそもは「絞りカス」という意味なんだそう★
・・・ところが何しろ、験(げん)担ぎが大好きなニッポン!ですから♡

「空(から)」という言葉を使ってしまうと、客商売をしている人にしろ、何にしろ、とにかく縁起が悪いというのを考えます!

だからといって、「おからは、大豆から豆乳を絞った後の絞りカス★」ですから、そこには豆の栄養はまだ幾分かは残っていますし、食物繊維もたっぷり・・・☆
ただ日持ちが難しいのが、たまにキズ・・・という食材です。 (>_<)

さて、「おから」と呼ばずにどうしたのかといえば、白いウツギの花(写真左参照☆)に似ているから・・・「卯の花」と呼んでみたり。
お豆腐とは違って、逆に包丁で切らなくても済むから「きらず」と呼んでみたり、・・・そこはまた見目麗しく、「雪花菜(きらず)」なんて文字を当ててみたりして☆
・・・なんとなく、皆々さまの創意工夫の次第が見られる処が何とも、面白い具合になります。 (‘_’)

ところで「おからの栄養成分」はといえば、手許の資料によれば、カルシウムやビタミンB群、鉄分も多いですし、まだ豆の脂質だって残っています。
・・・これがまた、キチンと発酵をするのですね♡

私は「きらず漬け」って初めて食べたんですが、殺菌のためにお酢を入れてはいるものの、また発酵も進んでいくので。
・・・日を重ねるごとに、若干・・・酸っぱくなっていきます。
味としては「ほの甘い、糠臭くない糠漬け」といった処でしょうか。

ちなみに、このおからもちゃんと食べられるんです(!)
・・・何だか、不思議なお漬け物なんですが、手軽で色がキレイに仕上がるのが特徴のようです。
地方によっては、収穫されたタケノコを漬けたり、お魚をつけたり。
漬け物の種類というのも、色々とあるんですねぇ・・・へ~え。 (゜_゜ )

如月のお膳♡

ところで、「お江戸の頃の手軽なおかず」といえば、何といっても漬け物でした!
・・・将軍吉宗の頃に出版されたなる「漬物早指南」という本には何と、64種類もの漬け物が紹介(!)されていたのだそうです。
また、余った漬け物の美味しい食べ方の工夫についても、この頃にどんどんと発展をしていきました♡

・・・今回は見た目もキレイな、挑戦しやすいニンジンのきらず漬けです。
ぜひぜひ一度、お試し下さい。 (^_^)/

<2018.2.5更新>

関連記事

  1. 神無月の、お漬け物は・・・?

  2. 如月の、魚料理は・・・?

  3. 霜月の、お漬け物は・・・?

  4. 皐月の、お漬け物は・・・?

  5. 弥生の、お漬け物は・・・?

  6. 如月の一覧

  7. 如月の、お菓子は・・・?

  8. 如月の、行事食は・・・?

最近の記事

  1. 心美人

    もはやお金を求める時代ではない
  2. 活動エッセイ

    第12話 和心レシピに今までお付き合い戴き、あり…
  3. 心美人

    新しい自分になる方法
  4. 歌舞伎の楽しみ方

    歌舞伎のすすめー後編ー

アーカイブページ