如月の、魚料理は・・・?

ふぅ~、ぶるぶる、寒いなぁ!
女房の差し出す煮物で、気ままに一杯・・・おぅ、旨いなぁ!
しみじみ噛みしめ、ぽつぽつ楽しむ、
今日のおかずは、身欠きニシンにゼンマイの煮物。

料理/清水 紀子

2月の魚料理は、・・・身欠きニシンとゼンマイの煮物☆

材料<(2人分)>

身欠きニシンとゼンマイの煮物・材料

  • 身欠きニシン………1本
  • 干しゼンマイ………15g
  • コンニャク………80g
  • 高野豆腐………1枚
  • だし汁………300ml
  • (a)酒………大さじ2
  • (a)みりん………大さじ2
  • (a)しょう油………大さじ2
  • (a)砂糖………大さじ1弱
  • サラダ油………大さじ0.5

<作り方>
①.身欠きニシンは米のとぎ汁に浸して、一晩おいて戻す。
ゼンマイも表示通りに戻す。

身欠きニシンとゼンマイの煮物・身欠きニシンを戻す様子

②.身欠きニシンは、翌日水洗いして脂などを洗い流して、一口大に切る。
ゼンマイは食べやすい長さに切る。

③.高野豆腐も表示通りに戻したら、4等分にする。

④.コンニャクは、アク抜きをしてから、食べやすく切っておく。

⑤.鍋に油をひいて火にかけ、ゼンマイとコンニャクを炒める。

⑥.全体に油が回ったら(a)とだし汁を加えて、煮立ったらニシンと高野豆腐も加える。

⑦.蓋をして火を弱め、15分ほど煮る。


「和心文化メッセンジャー」・・・山野亜紀からの一言♡

こちらのコーナーでは、魚料理をランダムに毎月ご紹介をしていきます。
どうぞ、お楽しみに!

お江戸の時代に、立ち返ろうーーっ!
お江戸「2月のお魚事情」を想像してみると・・・生のお魚ってあんまり、使われていなかったのではないでしょうか・・・?
・・・そこで私の子供時代に、よく父や母の田舎から送られて来た、懐かしい食材(!)
身欠きニシンさんを、採用してみることに致しましたっ。 (^_^)/

今回の撮影では特に、清水先生にお願いをしたのは「お江戸感♡」でありました。

・・・ちなみに山野家では、御節でも「ニシンとゼンマイの煮物」はよく出て来ました!
それもゼンマイは、・・・山形や岩手の田舎から当時、送られて来ていたものですから。 (‘_’)
「今は亡き母や祖母は、干してあるゼンマイを戻して、煮物に使っていましたねぇ~・・・」
なんていう・・・私の昔話のせいでっ!

・・・ちなみに清水先生って、ホントにお仕事に熱心なお方で、真面目なお人なんです・・・★
私の話を聞いて・・・それではと、とにかくチャレンジしてみて下さったのでした・・・♡

まず1つめの難関はといえば、身欠きニシンでした・・・。
・・・というのは、「昨今の身欠きニシン」というのは、ソフトタイプと呼ばれているモノが主流・・・。
なので製造工程自体がもうすでに、お江戸のモノとは違っている訳なんですね・・・★

「あぁ、これじゃぁ、お江戸のレシピの再現とは、言えないかも知れないから・・・」
という清水先生のお考えで、ともかくも★
・・・お江戸の当時と同じように作られていたなる「天日干しの身欠きニシン」を購入してみての、試作の日々が始まりました・・・。

ちなみに、料理本やインターネットなんかの資料を見ても、
「乾物の身欠きニシンは、米の研ぎ汁か、番茶で戻してから(!)使用をする」なる記載が、多く見られます・・・★

・・・清水先生、とにかく挑戦してみようという事で、米の研ぎ汁はともかく、番茶で煮る方法でも試してみて下さった・・・そうなんですが★
「・・・ねぇ、山野さん。身欠きニシンって番茶で下茹でをすると、とにかく物凄い臭い(!)でねぇ~・・・」
「はぁはぁ・・・」
「・・・それで一体、何の匂いに似ているのかなぁと思って、ずーーっと考えていたんだけれども・・・ようやくに思い付いてねぇ」
「・・・っていうか、そんなにモノスゴイ匂いだったんですか・・・っ!?」
と、驚く私に・・・清水先生曰く、 ∑(゚Д゚)
「その匂いって、囲炉裏の匂い(!!)に、すっごく似ているのよね~っ、、、」という・・・お話でした★

・・・身欠きニシンと、囲炉裏・・・。 (゚_゚i)

何となくイメージがマッチしないでもないけれど、これまた年末の撮影でもあったので★
・・・ましてや、この和心の撮影は、清水先生のご自宅での撮影(!)でもあったので!
そんな匂いを、ご自宅に立ち込めさせるようなハメになってしまい、・・・ひたすらに申し訳なくも、ひれ伏してしまう・・・山野亜紀なのでありました★

はてさて、そうして苦難を乗り越えて仕上がってきた・・・「身欠きニシンとゼンマイの煮物」の、試食をしてみたんですが。 (゜_゜ )
・・・私はそういえば、ながらくこのレシピを「ゼンマイの水煮(!)」「ソフトタイプ・身欠きニシン」で拵えていた事に、ようやくに気が付きました・・・★

思わず、叫ぶ私です(!)
「・・・清水先生っ、そうそう、そういえばっ、母や祖母が作ってくれていたのは、こんな感じの仕上りでした~っ!!

・・・ゼンマイは、干してあるのを戻して使うので、食感は硬いし★
身欠きニシンはといえば、コレも戻してから煮上げていくので、・・・どっちかというと硬くて、ポロポロっとした仕上りだし★

なのでこのニシンは・・・噛みしめて食べるというのか、・・・とにかくソフトタイプとは、ニシンの歯応えが違うんです!
・・・でもでもっ、私にとってはこの仕上りは、とーーってもっ、懐かしい感触でありました。 (〃∇〃)

如月のお膳

こうして振り返ってみれば★
実家の母が、「家族3人で行った旅先の、旅館の湯船で永眠をして」からもう10年になります。
そして祖母はといえば★
・・・もう、そんなに長~い歳月が振り返れてしまう・・・自分に、ホントに驚いてしまうんですが★ (^_^;)
今回の撮影で、祖母と母の感触に立ち返る事が出来て私にとっては、とっても嬉しい1日でありました♡

・・・はてさてゼンマイさんには、豊富な食物繊維と、パントテン酸やビタミンB1も含んでいるので、お肌にはもちろん良いですし、疲労回復にも期待が出来ます♡
また身欠きニシンさんには、タンパク質やら脂質、そして老化を防いで下さる効果が見込めるDHAや、EPAも♡

・・・日本の食生活はと言えば、ここウン十年で大~きく様変わりをしてしまいましたが、たまには・・・昔ながらに作ってみるのも良いかと思います☆
きっと、その頃の記憶が甦りますよ。
保証致します。 (^_^)/

<2018.2.26更新>

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