「春はセリっ、身欠きニシンで、日本人」

「春はセリっ、身欠きニシンで、日本人」

今月の旬食材は、お江戸の頃に立ち返りっ!
長らく人々に愛されて来た、「身欠きニシン」さんを取り上げてみたんですが・・・ニシンさんといえばっ!
・・・かのウヰスキーブームを巻き起こした、NHK連続テレビ小説「マッサン(2014年9月~2015年3月放送)」に、けっこうに関係がありました♡

北海道の地で、マッサン夫婦が暮らす日々のお話がありましたが、地元の漁師で網元の・・・森野熊虎(風間杜夫・演)が、マッサン夫婦によく絡んでました。
彼が申す事には、
「あれほどに良く獲れていたニシンが、今では不漁になって、おかげで今では多額の借金を抱え・・・云々」なる下りがありましたよね。 (゜_゜ )

ニシンさんは「日本の食の歴史」においては、けっこうに浮き沈みが激しく活躍をされて来た・・・お方なんですよね★

ニシンを漢字で書いてみますと、鰊、鯡、青魚、春告魚・・・などなど。
「魚に非(あら)ず」なんて当て字をされているのが、また珍しい処なんですが★
・・・何でも、お江戸の当時の松前藩では(!)
まぁ、あの当時ではまだ「蝦夷地と呼ばれて」いましたし、今とは違って「お米の収穫」なんかは、ほとんど見込めない土地柄でもあったので、
(米の代替品として、ニシンさんで!)年貢を治めて時代があった事から・・・魚に非ず!の文字が当てられたのだと、資料にあります。 (‘_’)

・・・さてニシンさんは、ニシン目ニシン科の海水魚で、その産卵はいつ行うのかといえば、北海道では3月の・・・下旬から6月の下旬にかけてなんだそう。

・・・ちなみに、ニシンさんの卵はといえば(!)
お正月に、大々的にスーパーで売られている・・・数の子さんですよね♡

よくスーパーでも見掛けますから・・・皆さまも、ご存知かとは思われますが、産卵された卵は沈性で、さらに粘着性があります(!)
その・・・卵さんたちが固まり状で、海藻なんかに産み付けられた形で、時期を待ちます☆
・・・ちなみに、この時点で獲られてしまって、市販をされているのが「子持ち昆布」なんだそうで・・・意外や意外っ。
ニシンさんのお子さんって、けっこうに色んな形で・・・流通をされているんですねぇ、へ~え。 (-_-;)

また、この卵さん達が孵化をしますとまず、半年で10センチほどの大きさに。
・・・これが1年経つと15センチ、そして3年経てば25センチにまで成長!
5年で30センチ、7年では32センチという具合に・・・お育ちになられるのだとか★

・・・ところで、ニシンさんってもともと・・・漁獲量の浮き沈みの激しい魚なんだそう(!)
特に「明治の頃から昭和の初めにかけては、浜が白子(ニシンさんの精子・・・つまり彼らは、産卵の為にこの地にまで訪れていたんですね★)で、海が真っ白に見えるほどに豊漁であった!」・・・と、資料にあります。
それが戦後数年経った時点で、今度は海流が変ってしまったのか、ニシンさんの数は激減してしまったのだとも・・・資料に。

何しろ、豊漁の折には・・・ニシンさん★
余りにも獲れすぎていたので、数尺に積み上げた魚の上を人が往来するほどに・・・ある意味、ずさんな仕打ちを受けていたお方であったのだとも、また資料に★ (^▽^;)

またニシンさんっていうのは、とにもかくにも、脂がとっても強い(!)お方なんだそう★
なので当時は、とーーーっても日持ちが難しいお方だったんですね。 (´_`。)
・・・なので、お江戸の頃はまずはともかくも、「傷みやすい頭や内臓を取って」しまってからの・・・干物にするやら、鰊粕にしてやらの販売に。

これが維新を迎えた頃になりますと、今度は製造方法も変ってきたのか、まずは数日!
ニシンさんを、板倉に収蔵しておきます。

・・・こうしておくと、何しろ脂っぽいニシンが何とか、加工がし易くなるからみたいで、それからナイフなんかで捌いていきます。
数の子と白子を抜いて223匹ずつを藁で括って、また更に2日ほど干していきます。
・・・ここまでして、ようやくに・・・その身も捌きやすくなるそうで(!)
まずは2枚におろして、またさらに2週間ほども乾燥をさせて、ようやくに出来上がったのが・・・市場で流通している乾物の「身欠きニシン」さんなんですね。

はてさて、私が子供の当時に、父や祖母の田舎から送られて来ていた・・・「身欠きニシンさん」は、きっと・・・こういう工程で作られていたモノであったかと思うのですが★
・・・それが今では、「ソフトタイプ・身欠きニシン」というのが、市場では主流なようですね。 ( ̄_ ̄ i)

こちらは、ニシンを機械干しにしまして。
下乾きをしたので、扱い易くなった処を3枚に下ろして、さらにまた機械で・・・1週間程度も乾燥!
・・・ここまでしてから、ようやくに「頭を落とし」て、また1ヶ月ほどを倉庫で熟成させて・・・完成させたモノのようです。
・・・とにかくニシンさんて「脂がとーーっても強いお魚」なので、内部までゆっくりと乾燥をさせない事には、腐ってしまうんだとか★ (^▽^;)

そんな・・・ニシンさんなんですが。
タンパク質やらビタミンA、また鉄やカリウムなども豊富に含んでおられますし。
・・・老化を防ぐ効果のある、DHAやEPAも含まれています♡

糖質代謝を促す効果のあるビタミンB2や、抗酸化作用のあるビタミンEも含まれていますから、身体の酸化や老化を防いで下さる効果があるとも。

・・・ちなみに、ニシンさんの卵は「数の子」として食品ルートに乗りますが、「白子や内臓なんかは、畑の肥料になる」のだとか★

・・・そして今や数の子さんは、「黄色いダイヤ」とも呼ばれるようになり、身欠きニシンさんと共にすーっかり「高級品の地位に置かれて☆」いますが・・・ニシンさんって。
日本人の歴史的な面から見ても、「儲けたお金で、漁師の網元が鰊御殿を建てられたくらいに☆」・・・日本人とは、なじみが深~いお方なんですよね。 (・・。)ゞ
・・・その歴史と共に、今一度手に手を取って、愛していきたいお方です。

さて、もう一つの旬食材、セリの方に参りましょう。
セリって、春の七草にも数えられてはいますが、数少ない・・・日本原産の蔬菜なんだそうです。

なので古くは、日本最古の歌集である・・・万葉集にも詠まれているお方でもあるんですが、その名の由来はといえば(!)
一箇所に競りあって生えているから(!)・・・なのだとか。 (^_^;)

野生のモノだと、日当たりの良い水辺や湿地で自生するんだそうですが・・・今ではセリさん★
スーパーでも、栽培品と野生品が入り混じって売られているそうなんですが、やっぱり!
芹田(せりた・・・つまり、栽培モノ★)の方が、アクが少なくて美味しいのだとか。

ちなみに、お江戸の本草書(日本食材を紹介する書物★)の「本朝食鑑(1697)」では。
・・・セリは、「水セリ」と「早セリ」とに分けられてあり。
赤セリは不味いとか、白セリの方が柔らかくて、しかも香気があって美味しい・・・と記されているそう☆

ただ「セリは、水辺に生える植物」なので、どうしても・・・虫卵なんか付けられて汚染されてしまうのだそうで、生食はせぬ事!と、但し書きがされているそうです★

さてセリの栽培というのは、湿地などに畔作りをして、根っこを植えて育てるモノだそうです。
「湧水でも、この栽培方法で育つ」とあり、こんな話が残っているそう。

何でも、時の関白・豊臣秀吉が、京を守るために周囲をぐるりと、「お土居(城でいう処の城郭で、土を積み上げて作る)」に取り掛かっていると、おや、水の湧き出る場所があるではないですか。

・・・そこで思い付いて、セリを植えてみた処が、思った以上にこれまた、良く育ったので(!)
手をかけて育ててみた処、京都で暮らす庶民の冬の食卓をにぎわして下さるようになり、これまた貴重なビタミン源としても活躍をされたのだとか☆

・・・今でも京都に、この芹田が残っているんだそうですが、当時の京都の土地柄というのは、とにかく(!)
「人が住むには、水がよくない!」
土地であったのだそうで、それを秀吉、全部をひっくり返して地ならしをして・・・今の京都の礎を作ったというから、驚きます★

・・・ちなみにセリさん、食用はもちろん、神饌(神さまへの、お供え物☆)にも使われていましたし、薬用としても活躍をされていました!
滋養強壮に解熱に消化剤にと、はたまた婦人病薬としても使われていたのだとか♡

そんな・・・芹さんなんですが、お江戸の頃の料理書には、「芹焼き(!)」なるレシピがありました。
何でも焼石の上で、芹を蒸し焼きにしていたモノのよう。(室町の末期頃の調理法★)

それが「焼き石を使っての、石焼き」から「鍋焼き」へと変っていき。
・・・結局は、「湯がいての、野菜の浸し物レシピ」へと変わっていったんだそうですが、その名前だけは、頑固にも「芹焼き(!)」を曲げていなんですねぇ・・・まぁ、びっくり★

日本全国、どこの山野にも自生し、栽培もし易かったセリは、古くから日本では、水田の周りなどに植えては、楽しまれていたようです♡

そんな・・・セリさんなんですが。
やっぱり栽培種よりも、野生の方が栄養効果は高い(!)

11月頃から新葉が伸びて、翌年の夏に花を咲かせていますが、あのセリの香りは、ミリスチンとカンフェンといった精油成分です。
・・・その香りだけで、胃は丈夫にして下さいますし、発汗や解熱、解毒にまでも効果があるんだとか♡

・・・またセリは、カロテンを多く含んでいますから、粘膜を丈夫にして下さいます。
という事は、免疫力アップにも繋がりますし、また含まれている葉酸や鉄分は、貧血予防や美肌にも効果あり(!)

・・・セリさんには、血圧を下げて下さるカリウムや、ビタミンCやカルシウムも含まれているんですが、野生種に比べて栽培種は、このビタミンCやら、香り成分が弱いんだそうです。

ただ、野生種はアクが強い(!)ので、アク抜きのためにはまず、塩茹でをしてから水にさらします!
・・・ちなみに栽培種なら、塩茹でのみにてOK!

ただ野生種は良いんですが、よく似た「毒芹なる毒草!」もあるそうなので、そこの処だけは要注意!
・・・こちらは、セリ独特の香りがなくて、地下茎はタケノコ状の節があるそうなので、気をつけましょう。

春の息吹を伝えるセリに、日本人を長らく楽しませてきた身欠きニシン。
楽しみつつ、感謝しつつ、健康にも役立てたいものです。

<<文責・山野亜紀(女 邦史朗) 2018.2.28更新>>
※山野 亜紀(女 邦史朗)プロフィール

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