弥生の、主役は・・・?

どんより空に、長屋のみんなで潮干狩り、
どこがたくさん獲れるかな、
浜辺で炊きあげ、収穫の喜び、みんなで食べよう、深川めし。

料理/清水 紀子

3月の主役は、・・・深川めし☆

<材料2人分>

深川めし・材料

  • アサリ………150g
  • 油揚げ………1/2枚
  • ネギ………1/2本
  • だし汁………400ml
  • 味噌………大さじ2
  • ごはん………茶碗2杯分

<作り方>

①.アサリは砂出しをしておき、油揚げは短冊切りにして、ネギは斜め切りにする。

②.鍋に、だし汁と①を入れて火にかける。

深川めし・鍋で煮ているようす

③.アサリの口が開いたら、火から下ろして味噌を溶き入れる。

④.ごはんを器によそって、③をかける。


「和心文化メッセンジャー」・・・山野亜紀からの一言♡

お米の国、ニッポン!・・・ではありますが。
こちらのコーナーでは、主食を敢えて「主役(!)」として、ランダムに毎月ご紹介をしていきますので、どうぞお楽しみに!

ここで一発、何ですが・・・深川ってどこですかっ!?
・・・何となく、そこはかとな~く「お江戸そのもの」っぽい気は、するのですが・・・。
具体的に、「深川はどこ?」となると、何となく思い付かないような・・・★ (^_^;)

はい、調べてみました。
広辞苑さんによると、東京都は江東区の西側の方・・・。
隅田川のデルタ地帯に辺り、お江戸の当時は材木業がその地域に集中っ!
深川木馬として、繁栄をされていた・・・土地であるそう。
ちなみに、南西部には富岡八幡宮やら、深川不動尊のある古くからの繁華街・・・と、あります。

地図を見ますと、最寄り駅は地下鉄の門前仲町駅やら、木場駅豊洲駅などなど。
JRで言うなら、越中島やら塩見駅なんかが近いようです。

周囲を見渡しますと、清澄庭園やら木場公園なんてのもありまして、やっぱり木場感が覗えますよね。 (‘_’)
・・・荒川を超えてしまえば、今度は葛西臨海公園やらがありますし。
そして浦安まで来てしまえば、今評判の・・・東京ディズニーリゾート☆が鎮座ましまされておられるのです・・・☆

先日、NHK「ぶらタモリ」で、浦安を特集していた時の事です。
この地域は、昭和の中頃まで栄えたという・・・漁師町であったそう(!)
その歴史は古く、安政3(1856)年歌川広重の手掛けた浮世絵「名所江戸百景 堀江ねこざね」にも、この辺りが描かれているのだとか☆
・・・そしてもともと、この辺りの名産はアサリやハマグリで、それも物凄く(!)捕れていたのだとか・・・。 ( ̄_ ̄ i)
昭和の中頃までは、ご当地の「(貝の)むき身屋」が剥いた貝が、東京の多くの料理店で使われていたんだ・・・との事ですが★

この地で貝が多く獲れたのは、旧江戸川河口周辺にあった干潟(ひがた)の影響が大!

それが・・・1958年に、この辺りの工場排水が原因で、東京湾の魚や貝が大量に死滅っ!
怒った漁民は、原因の工場に1600人も乱入(!)して大きな事件になり、新聞にも載った(昭和33年6月11日の毎日新聞)という事でした・・・★★★

その後も被害は進んで、漁民達はドンドンと廃業に追い込まれていき・・・。
そして今では、その土地も埋め立てが進んで、東京ディズニーリゾートへの道を辿る事となりました・・・。 (´_`。)
何しろ、もとから広大な浅瀬ではあったので、埋め立ての方もし易かったのだとか★

そんな・・・深川では、アサリやハマグリはもちろん(!)
当時は、あんまりに獲れるのでバカ貝(!)とまで呼ばれていた青柳が、とにかくよく獲れていたので★
・・・忙しい漁の合間に、獲れたての貝の剥き身を味噌汁にして、ぶっかけ飯にして食べたのが・・・「深川めし」の始まりだとも。 (゜_゜ )

ちなみに、駅弁でよく見掛ける「深川めし」なんですが★
・・・深川は木場の土地柄です。
ですから材木業が盛んだったので、大工さんたちがお弁当に持って行くのに、炊き込み飯が都合が良かったそうなで、このレシピが・・・採用されているようですが。

調べてみますと、一口に「深川めし」とは言っても、幾つものレシピがあったんだそう★で、清水先生はそこで悩まれた・・・そうですが。
「作りやすくて、漁師飯っぽいのを採用してみました」との・・・お話でした。 (〃∇〃)

貝のタンパク質に、発酵食品の味噌で味付けをし、厳しい寒さ暑さで消耗する身体を癒やしてくれる・・・糖質のごはん

そして、淡色野菜と緑黄色野菜の両方の栄養素を併せ持つネギがいっぱいに入った「深川めし」は、土地の皆々さまに愛された、いちばん単純でかつ・・・手軽で美味しい活動食だった事でしょう♡

とにかく、だし汁に総てを放り込んで、後は煮るだけの手軽さでありながら、ホントに美味しい・・・深川めしです。
貝の砂抜きだけは、手間がありますが、たったこれだけのプロセスでじんわり、貝とネギ、油揚げの美味しさが堪能出来ますっ。
ぜひぜひ、お試し下さいませ。 (^_^)/

■山野亜紀のHP「ねんきら☆」でも、よろしければお楽しみ下さい☆
※「江戸前アサリか、ウドは原産、ねぇ日本人」~旬エッセイ・2014

<2018.3.19更新>

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