・・・酔い覚ましにしては、おつだねぇ・・・、
寒い夜更けに、1人で熱つつ、
しみじみ旨いは、身体に染みるは、はまぐりで作ったお吸い物。
3月の脇役は、・・・はまぐりのお吸い物☆

はまぐりのお吸い物・材料
- ハマグリ………4個
- 昆布………5g
- 鰹節………10g
- 水………400ml
- 塩………ふたつまみ
- 三つ葉………適量
①.ハマグリは、砂出しをしておく。
②.鍋に昆布を入れて3時間以上置き、昆布の出汁が出たら、昆布を取り出す。

はまぐりのお吸い物・昆布の水出しのようす
③.②を火にかけ、ひと煮立ちしたら鰹節を加えて、すぐに火から下ろす。

はまぐりのお吸い物・出汁に鰹節を加えるようす
④.2分程置いて、鰹節が沈んでからザルなどで漉す。
→漉したものが、だし汁になります。
⑤.④のだし汁とハマグリを入れて火にかけ、ハマグリの口が開いたら火から下ろして、塩で味を調える。
⑥.お椀によそい、三つ葉をあしらう。
「和心文化メッセンジャー」・・・山野亜紀からの一言♡
こちらのコーナーでは、汁物を敢えて「脇役(!)」として、ランダムに毎月ご紹介をしていきますので、どうぞお楽しみに!
雛祭りといえば、はまぐりのお吸い物です。
ハマグリの2枚の貝殻は、別のハマグリの殻とは合わさらないので(!)
・・・古来より、良縁に恵まれるようにとの願いが込められているとか。
平安時代の女の子の遊び「貝合わせ」にも、ハマグリは使われていました。 (^_^)/
貝殻を覆い合わせる遊びで、1個の貝殻を半分に割ります。
「右の方の貝殻を、地貝(じがい)」と呼んで、左の方の出貝(だしがい)」と呼びます。 (゜_゜ )
地貝の甲(写真・左側の貝のように、白い殻の方)をまず、並べておきます。
・・・それから出貝を1つずつ出しては、出ている貝の甲と合わせる遊びなんだそうですが・・・何故に当てられるのかといえば・・・ハマグリさん★
「蝶番の処に特徴がある!」そうで、貝殻は似ているようで居て、実は同一のモノでないとまったく形が会わないんだそう!
・・・なので、判りやすいといえば判りやすいし、当てた数の多さでまた、勝敗がはっきりとしているのが良かったのでしょうか・・・?
貴族の遊びから発祥(!)をしたので、その貝殻の様子もまた、だんだんと華美になっていきました。
・・・よくあるモノは、例えば(写真・上)のように、貝の裏側にステキな絵を描いてみたり。
または歌の、上の句や下の句なんかを書き込んでいったそうですが・・・。
また、この取った貝を入れておく貝桶(かいおけ)は、室町に入ると嫁入り道具にする事が流行(!)し。
・・・貝殻の方はこれまた、江戸の初期にまでも下ってくると・・・洗練をされていって「歌かるた」と呼ばれるモノに変っていったんだそうです。
ちなみに私は子供の頃、よく家族で「いろはカルタ」やら「百人一首」をやったモノですが・・・。
そのルーツがここにあったなんて、何だかビックリしてしまいますよね☆ (〃∇〃)
とにかく、縄文時代の古墳からも・・・数多く出土されているハマグリさんです。
夫婦和合のシンボルとしても、当時から活躍をしていたかは・・・定かではありませんが★
古来より、日本人に愛されて来たことだけは、確かです! (‐^▽^‐)

弥生のお膳
・・・何しろハマグリさん、カルシウムや鉄、亜鉛などのミネラル分が豊富です(!)
西洋の分野だけでなく、漢方からなら解熱や黄疸、目の充血などに効果があると・・・資料にあります。
また私も、実際に試した方にお話を聞いたことがあるんですが、ご家庭では通常・・・捨てている貝殻の部分にも、実はっっ!
漢方の分野では効能があるとされていて、貝殻を煎じて飲用をするようですが、それは糖尿やら、二日酔いにも効果があるといいます。 (+_+)
ハマグリの旨味は、アミノ酸のグリシンやグルタミン酸、コハク酸が豊富だからなんだ・・・そうですが。
今回はそこへ、さらにカツオ節のイノシン酸や、昆布のグルタミン酸を加えて、旨味を増幅!
・・・ここで「和風だしの取り方を、マスター☆」しておけば、さまざまな料理への活用も期待が出来ます・・・♡
一口食べると、思わず呻ってしまうほどに・・・美味しいお吸い物を作ってみませんか?
ハマグリさんが、い~い仕事をして下さって、ついつい笑顔に。
春の日射しを感じつつ、魚貝の旨味をしみじみ感じてみて下さい。
昆布は水出し、カツオ節パワーの効果で、ハマグリさんも自らの美味しさに満足して下さるかと思います。 (^_^)v
■山野亜紀のHP「ねんきら☆」でも、よろしければお楽しみ下さい☆
※「三つ葉、菜の花、ハマグリにワカサギ、春だねぇ、日本人」~旬エッセイ・2014
<2018.3.19更新>