物売りが練り歩く、お江戸の町並み、
あめ玉、けん玉、お面売り、どれを買おうか、これにしようか、
今日のおやつは、甘くてうれしい、お麩で作ったかりんとう・・・☆
4月のお菓子は、・・・お麩のかりんとう☆

お麩のかりんとう・材料
- 小町麩・車麩など………合わせて25g
- 黒糖………40g
- 水………20ml
- 揚げ油………適量
①.油を180度に熱し、お麩を数分揚げる。
②.うっすらと色づき始めたら、引きあげてキッチンペーパーで油を切る。
③.小ぶりのフライパンなどに、黒糖と水を入れて火にかけ、細く糸を引くまで煮詰める。

お麩のかりんとう・黒糖を煮詰める様子
④.糸を引くようになったらすぐに火から下ろして、②のお麩を加えて、全体に絡める。

お麩のかりんとう・煮詰めた黒糖が、糸を引く様子
⑤.網などにのせて、冷まし固める。
「和心文化メッセンジャー」・・・山野亜紀からの一言♡
こちらでは、デザートをランダムに毎月ご紹介をしていきます。
どうぞ、お楽しみに♡
室町時代の初期頃には、中国から伝来していたという・・・お麩です。
・・・ちなみに、お麩にも色々と種類があるそうで、日本に初めて上陸したのは・・・生麩(きぶ)と呼ばれるモノであったそう。 (゜_゜ )
お麩は小麦粉で作られているんですが、江戸時代に入るとふすま・・・(つまり小麦粉の皮クズ★)でも作られていたとも、資料にあります★
さて、これなる材料に水を加えまして、団子状に捏ねたらそれを・・・水中で揉んでいきます。
すると、でん粉だけが流れていって、グルテンが主成分の・・・粘り気のない固まりだけが残ります。
・・・これが「生麩の状態」なんですが、煮るとすぐに千切れてしまうそうで、調理がしにくいのが難点だったらしいんですよね。 (-_-;)
精進料理と共に発展を遂げたという・・・お麩なんですが。
上記の状態では、あんまり宜しくなかったそうなので、生麩にまた・・・少量の米粉であるとか、小麦粉などの穀粉を練りまぜて作られたのが、現代のお麩なんだそうです。 (‘_’)
・・・こちらはお江戸は八代、将軍吉宗の時代(1725年頃)に考案されたモノなのだそうです。
はてさて、それからは種類も増えまして、幾種類ものお麩が「お江戸の料理書」にも登場を致します・・・。
揚麩に粟麩(あわふ)、うどん麩に・・・きんかん麩、すだれ麩、ちぎり麩、ちまき麩などありまして。
他には・・・ちりめん麩に包み麩、苞(つと)麩に土佐麩、揉み麩・・・などなど。
生麩を焼いたという焼き麩に、よせ麩というのもあるようです。
またレシピで言えば、お酒だけで炊き合わせたという・・・酒麩なる一皿や、お豆腐やら山芋、白玉粉と混ぜて炊き合わせたなる・・・思案麩などなど。
・・・とにかく現代でも「飾りとして楽しまれるお麩」だけでも幾種類もあるようで、土地土地で愛されているモノでもあるようです。 (^_^)v
もともとが、小麦粉を水で練って、それを丸洗いしているようなモノなので・・・あんまり栄養がなさそうに感じられてしまうのですが、実はそうでもないよう(!)
小麦粉はグルテン、その栄養素であるタンパク質は小麦粉なので・・・植物性のそれですし、ナトリウムにカルシウム、鉄や亜鉛などのミネラルも含まれています。
また、お麩はよく「精進料理で、お肉の代わりに使用される」事も多く、少量で満腹感が増すのでダイエットにも良い・・・との記述も見掛けます。
・・・そしてアミノ酸の一つでもあるプロリンが多くて、こちらはコラーゲンの合成を促進っ!
美肌や、角質層の保湿にも効果があるそうです♡
はてさて今回は、そんな・・・お麩で作られたお菓子、かりんとうのご紹介です。
「お麩を揚げて、ぷくぷくの状態で楽しむ技法☆」は、こうしてのお菓子使いだけではなく、お料理としても楽しまれていたようです・・・♡
冷めてもその・・・ぷくぷく度を保つためにと、揚げ油に木蝋(もくろう)を入れるなど工夫したと、資料にあるのですが・・・。
木蝋は、ウルシ科であるハゼノキや・・・ウルシの果実をまず蒸3して!
・・・果肉やら種の油で取ったという油分でして、これを・・・和蝋燭の仕上げに使ったり。
髪の鬢付けで使うやらはもちろん、とにかく油分(!)なので様々な物の艶出しに、または膏薬などの医薬品としてに、化粧品としても活用をされているんだそうです・・・。
明治の頃までは、大活躍!をされていたという代物なんですが・・・これって実は、今でも使われているのだそう(!)
特に・・・激しい体当たりを繰り返す・・・お相撲さんの髷を結う鬢付けとしては有名で、あれほどの活動をしても崩れず(!)
その形を維持して下さるという木蝋さんは、ジャパンワックスとも呼ばれているそうで、今でも・・・ヨーロッパやアメリカへの輸出が続いているそうです・・・。
話がちょっと逸れましたが、ホントに昔から日本で愛されていた・・・お麩料理は、とにかく高タンパクで低脂肪!
色も形も様々でキレイですし、残ったお麩は・・・そのままお汁に入れるなどしても良いのですが・・・。
例えば、水やお湯につけて柔らかくもどしてからの・・・お楽しみ♡
野菜と炊き合わせてみたりも良いですし、和え物にしてもまた・・・イケルのだとか。
でも・・・やっぱり、かりんとうって懐かしいアイテムですよね。
黒糖の甘さが、じんわりと効きます。
ぜひ、お試し下さい。 (^_^)/
<2018.4.23更新>