水無月の、野菜料理は・・・?

遠く中国から、やって来た!
隠元和尚の隠し球、緑のサヤに、緑の豆だわ、
梅雨空に咲く・・・熱い風だわ、今日のおかずは、インゲンのそぼろあん!

料理原案/清水 紀子 調理盛付/山野亜紀

6月の野菜料理は、・・・インゲンのそぼろあん☆

<材料(2人分)>

インゲンのそぼろあん・材料

  • インゲン………160g
  • 鶏ひき肉………80g
  • 昆布(10cm角)………1枚
  • 水………150ml
  • (a)酒………大さじ1
  • (a)みりん………大さじ1
  • (a)薄口しょう油………大さじ1
  • ショウガ………5g
  • 赤唐辛子………適量
  • 片栗粉………適量

作り方>

①.昆布を水に入れて、30分ほど置く。
ショウガは、摺り下ろしておく。

②.インゲンは筋を除いて、小鍋に湯を沸かして塩(分量外)を加えて、やや固めに茹でておく。

インゲンのそぼろあん・そぼろを作る様子・1

③.小鍋に鶏ひき肉を入れ、それからコンロに火を点け、火加減に注意しながら、そぼろ状に仕上げ、(a)と①で出来た昆布水を加えて煮立て、赤唐辛子、擦りショウガを加える。

インゲンのそぼろあん・そぼろを作る様子・2

④.③に茶こしに片栗粉をふり入れて、好みの固さになるまで入れて仕上げる。

インゲンのそぼろあん・そぼろが出来てから、調味料を入れる様子

⑤.器ににインゲンを盛り、④で出来たあんをかける。


「和心文化メッセンジャー」・・・山野亜紀からの一言♡

今回お出まし願うのは、夏野菜のインゲンさんです・・・☆
若いうちなら・・・インゲンさん、莢ごと食べられるんですが、このお方は1年のうちに3度も収獲が出来る(!)ので、関東では「三度豆」と呼ぶ地域もあるそうです。

・・・さてちなみに、その名前の由来はと言いますと、時は1654年(!)

江戸は四代将軍・家綱の時代に、日本国からのお願いに応えて下さった・・・中国は福建省の禅僧!
日本黄檗(おうばく)宗の開祖である、隠元さんというお坊さんが日本にやって来た折に、何故だかお持ちになられた・・・という食材であるのだとか★

ところで、この方は結局、日本に帰化をされたのだそうで、京都は宇治市に・・・1661年に萬福寺なるお寺さんを建立(!)
・・・こちらは臨済宗のお寺さんだそうで、曹洞宗に次ぐ禅宗のお寺なんだそうですが、今では・・・こちらの2つの宗派は、ずいぶんと日本風に姿形を変えてしまったよう。
ただこの萬福寺さんだけは、当時建てられたモノなので、明朝風の様式を保たれているの・・・だとか★

そういえば、一昔前のインゲンの筋って、ものすごく固かったハズなのに★
最近では品種改良も進んで、モノによっては、ほとんど取らなくても良いくらいの筋になっているのだそうです。 (‘_’)

・・・形は同じに見えるのに、野菜も色々と変化しているのだなぁ・・・と感じます★
ちなみに呼び名も色々とありまして、ドジョウインゲンやらサーベルいんげん、平鞘隠元(ヒラサヤインゲン)、モロッコインゲン・・・などなど。

また一口にインゲンさんと申しましても、種類も幾つかありますし、今や色違いまでもあるそうで、インゲンさんの親戚は・・・かなりな賑わいを見せているようです。

・・・さてサヤインゲンさんは、いんげん豆の「若莢姿」での名称です。

こちらにはβカロテンやビタミンC、食物繊維・・・などなど、様々な栄養素がバランスよく含まれているんだそうです。
・・・また、むくみを取って下さるミネラルであるカリウムや、貧血予防効果のある鉄分も含まれているので、インゲンさんは低カロリーな食材でありながら、健康効果の高い夏野菜なのです♡

さて今回は・・・そんなインゲンさんに、そぼろあんをかける事にしてみました!

最後に、片栗粉でとろみをつける参考資料です♡

インゲンさんは、素材の味を活かして・・・そのままの塩茹でに。
そして、そぼろあんの方は・・・何しろ梅雨時の時折ひやっとする寒い時節でもありますから、唐辛子とショウガでちょっと、パンチを効かせてみました♡

さて挽肉なんですが、鍋を熱くしてから投入すると・・・あっという間に焼き焦げ付いてしまう可能性が(私のような粗忽者には★)ありますので(!)
今回は、冷たい鍋にまず挽肉を入れておいてから、ガスの火を点ける方式を採用しました!
・・・挽肉の油分がありますから、サラダ油も何も敷かなくても十分そぼろあんが出来ますが、とにかく火加減には注意をして下さいね♡

・・・ところでそういえば、「そぼろ」という言葉は一体、どこから来たモノなのでしょうか。

事典によりますと、「物の乱れて、からまった様、こんがらかった様」とあります。
・・・その他、みすぼらしい様、雨がしとしとと降る様・・・などなど。
けして、目立つほどに動きはなくても、何となく絡まった様、寄り添う様、それが「そぼろ」の言葉の語源のようです。
旬のインゲンと合わせた・・・そぼろあん、ぜひお楽しみ下さい♡ (^_^)/

山野亜紀のHP「ねんきら☆」でも、よろしければお楽しみ下さい☆
※「シシとブタは、何違う? インゲン和尚だ、日本人★」~旬エッセイ・2015

<2018.6.11更新>

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