水無月の、お菓子は・・・?

甘くて冷たい、わらびもちはいらんかえ~、
茶店の看板娘が、かける呼び声、
声に誘われ、色に誘われ、食べ尽くしそうな・・・わらびもち!

料理原案/清水 紀子 調理盛付/山野亜紀

6月のお菓子は、・・・わらびもち☆

<材料(2人分)>

わらびもち・材料

  • わらび粉………50g
  • 水………250ml
  • 砂糖………50g
  • 黄な粉………適量
  • 好みで黒蜜………適量

<作り方>

①.鍋に蕨粉と砂糖、水を入れて、木べらなどで軽くかき混ぜてから火にかける。

②.白濁していたものが、徐々に透明になってくるまで絶えず、かき混ぜながら加熱する。

わらびもち・鍋をかき回している様子

③.粘りが強く出て、鍋肌にくっつくようになったら、すくいあげるようにしながら混ぜ、冷水にとって冷ます。

わらびもち・透明感が出てくるまで、火を加える様子

④.完全に冷めたら水から出して、一口大に切り分け、黄な粉をかけ、好みで黒蜜をかける。


「和心文化メッセンジャー」・・・山野亜紀からの一言♡

こちらのコーナーでは、デザートをランダムに、毎月ご紹介をしていきます。
どうぞ、お楽しみに♡

くず粉(つまり、葛の根を粉末にしたモノ)で作られたのが・・・くず餅で。(写真右・参照)
ワラビの根っこを粉にして作られたのが、わらび餅なんだそうです。 (‘_’)

・・・では葛(くず)とは、マメ科の植物なんだそうですが、ワラビの方はシダ植物の一種だそう。
どちらも、お江戸の昔からよく愛されていて、東海道は日坂の宿(現在の静岡県掛川市日坂)では、蕨餅が土地の名物だった(!)んだ・・・そうですが★
実は日坂は・・・葛布の名産地でもあったので、これって実はわらび餅ではなくって、葛粉を使って作った葛餅を「わらび餅(!)」の名前で売っていたんではないか・・・とも。 (^_^;)

・・・かの当時から、くずもワラビも、そう違いはないとされていた・・・という事でしょうか★
ちなみに蕨粉の名産地は何処かといえば、金沢や徳島、芝村(現在の奈良県桜井市芝)などの藩の名前があがるそうです。

・・・さて、何しろ蕨粉ってとにかく、作るのが大変なんです・・・。

冬の間にワラビの地下茎(写真右・参照)をまず掘りまして。
コレを叩きほぐしてから今度は水でさらして、製粉へと向かいます。
・・・ホントに、とにかく全てが手作業なもので・・・。
しかも「根っこが10kgほど」の処を、粉にしてしまうと、これがたった70g(!)ほどしか取れないんだそうですね★
この量って、今回のレシピで換算するとなると、3人分くらいでしょうか・・・★ (>_<)

しかもワラビ餅って、冷蔵庫で冷やすととにかく、固くはなるわ、味が落ちるわ★
しかも賞味期限までも短いと来た、まるで三重苦・・・とでも言いましょうか。
とにかく美味しく食べるためには、とても大変(!)なんだな・・・という事が伺えます。

ちなみに、蕨餅に含まれている栄養素って何なのでしょう・・・。

見てみますと、デンプン質とイソフラボンと書いてある資料が見付かりました。
・・・デンプン質なのは、何となく判るんですけれど、なぜにイソフラボンなのか・・・???
と読んでいたら、何という事はなく、上によくかけて食べられている黄な粉の事のようです。
・・・あぁ、それなら納得がいきますよね。 (゜_゜ )

となるとワラビ餅というのは、大豆を丸ごと挽いた黄な粉(!)と。
サトウキビの絞り汁を、そのままに煮詰めた・・・黒蜜をかけて食べますから、ビタミン&ミネラルがたっぷりとれる、身体にうれしいおやつなんですね♡

なので、今回の・・・わらび餅さん自体は、お砂糖の量は、ほの甘い程度に抑えておいて(!)
香ばしい黄な粉と、ミネラル一杯の黒蜜で好みの甘さに整えての仕上りにしてみました!

・・・ところで今回、私は様々な場所で、ワラビ粉がどのように売られているのかを訪ね歩いてみたんですが・・・★
ネット通販でも、もちろん探りを入れてみたんですが。
蕨粉(!)と一口に申しましても、本当に・・・様々なお値段であったり、量があったりして皆さま、選ぶのに困る事もあるかと思います・・・★

また調理の過程についてですが、蕨粉と砂糖とお水を入れて、鍋の中のワラビ粉が白かったのが、透明になって行く・・・ともあります★

ところが高級志向な蕨粉(!)に巡り会ってしまうと、これが困った事に!(写真左・参照)
初めは白い粉であったのに、火を通していくと・・・これが黒コンニャクのような色のままで、それから一切変らず(!)
全然白くならなかったので、私は泣きそうになりました・・・★

・・・ところが清水先生にお尋ねをしてみると、それは漂白もされておらず、とても健全で正しい姿のワラビ粉であったんだそう!
なので、そんな・・・ワラビ粉に巡り会って調理をするハメになりましたなら、それは健全な(!)蕨餅への仕上がりでありますので、そこは・・・憂えることなく仕上げてあげてみて下さいっ!

右の写真は、お店のわらび餅の写真ですが・・・ね?
黒いでしょう?
私が試したのは、ここまで黒くはならなかったのですが・・・茶店で食べたモノと、ホントに色が違うのでびっくりしました。 (゜_゜;)

6月の梅雨空のもと、実際に火を使っている時間は、ほんの5分掛からないくらいです!
ふるふる、冷たい・・・わらび餅はいかがでしょうか。
お江戸の頃から、人の心をもてなして下さる、優しいおやつです。

山野亜紀のHP「ねんきら☆」でも、よろしければお楽しみ下さい☆
※「鮟鱇も? ワラビと一緒だ、日本人」~旬エッセイ・2016

<2018.6.25更新>

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